http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIV59S6JTSEE01.html 野村ホールディングス の2014年10−12月(第3四半期)連結純利益(米会計基準)は前年同期比45%増の700億円となった。
活発な株式取引が続く中、個人投資家からの委託手数料や資産運用関連収益が増えたほか、投資銀行業務なども好調だった。
ただ、今期黒字化を目指す海外部門は不振だった。
野村が29日開示した純利益は、ブルームバーグ・ニュースが集計したアナリスト8人の予想平均値372億円を88%上回り、
13年1−3月の824億円以来の高い水準となった。
12月末の顧客資産は104兆8000億円、運用資産残高は37兆7000億円とともに過去最高を更新した。
決算会見で柏木茂介財務統括責任者(CFO)は、
「営業部門ではビジネスモデルの変革が着実に進行し、アセットマネジメント部門に波及するなどマネジメントとして手応えを感じた」とし、
適切な助言で顧客資産を積み上げる営業方針が奏功したとの認識を示した。
第3四半期の収益合計 は13%増の5076億円だった。
委託・投信募集手数料が3.7%増の1259億円、アセットマネジメント業務手数料が20%増の506億円、
投資銀行業務手数が83%増の288億円、トレーディング損益は0.9%増の1095億円となった。
4−12月の9カ月累計純利益は欧米での債券取引の不振などから6.3%減の1428億円だった。
SMBC日興証券の丹羽孝一シニアアナリストは野村の今後の業績について、
「長期的に明るさが増している」とし、「業容拡大に期待が持てる」と述べた。
その上で
「野村のビジネスモデルの変革・高度化は想定を上回るスピードで進められている。
ホールセールでは市場部門、投資銀行部門ともに海外でのサービス、プロダクトの供給が増加している」と指摘した。
■パフォーマンスレビュー
海外拠点の税引き前損益は合計で70億円の赤字(前年同期は82億円の赤字)。
米州が127億円の赤字(前年同期は80億円の黒字)、欧州が104億円の赤字(同148億円の赤字)、
アジア・オセアニアは162億円の黒字(同15億円の赤字)だった。
通期では海外事業全体の黒字化を目指している。
柏木CFOは29日夜の証券アナリストらとの電話会議で、
16年3月期の海外税前利益500億円の目標についてマーケット環境が厳しくなっているとの認識を示し、
「ビジネスパフォーマンスレビューを今まで以上に厳しくやることになる」と言及。
「フロント、ミドル、バック一体となったコスト削減があり得る」と述べた。
新規株式公開(IPO)の活発化を背景に、第3四半期の日本株式関連の引き受けランキングで野村は34件・4119億円で1位。
IPOではリクルートやスマートフォンゲームgumiの案件を獲得し、金額ベースで昨年同期(2290億円)からほぼ倍増した。
同時期の国内債券関連では80件・5099億円で3位だった。
東京証券取引所によると10−12月の1日当たり株式売買代金(第1部、2部、マザーズ合計)は
2兆9596億円と前年同期の2兆6293億円から13%増えた。
同期間の日経平均株価 は7.9%上昇した。