韓国のサムスン電子は中国のサプライヤーの労働環境が劣悪だと批判されてきたが、同社が新たに公表したサステナビリティ
リポートで、問題が依然として解決されていないことが明らかにされた。リポートは同社の業務実態が垣間見え、興味深い内容だ。
調査は外部の監査機関が中国のサムスン電子のサプライヤー100社を対象に行った。それによると、うち59社で耳栓や保護メガネ
など安全用具が不足していたほか、こうした用具の使用状況を監視する体制が整っていなかった。
調査では賃金や手当、緊急事態への対応策など、さまざまな問題が指摘された。またサプライヤーの大多数が中国で認められて
いる時間外労働規定を順守していなかったという。サムスン電子はサプライヤーに対し、今回の報告書で指摘された問題に対処する
よう求めたと述べた。
サムスン電子は2012年、超過労働や基本的な労働者の権利の侵害など、中国のサプライヤーの不当な労働慣行に対策を講じる
方針を示していた。ニューヨークのNPO、チャイナ・レイバー・ウオッチは、サムスン電子のサプライヤー工場における違法行為をめぐり
同社を何度も批判している。
サムスン電子は1日、「当社は、中国のサプライヤーの内部調査や独立監査機関の調査で判明した問題に取り組むため、12年から
複数年にわたる多面的なサプライヤー管理計画を導入している」と説明。
そのうえで「サプライヤーの問題解決に進展がないことが明らかになった場合、可能な限り迅速に問題を解決できるよう、サプライヤー
に是正措置を繰り返し求めていく」との考えを示した。
ソース(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304174304580004541422684742 写真=ドイツ・ベルリンの世界最大規模の家電見本市「IFA 2012」会場入り口に並んだサムスン社旗
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-DM469_samsun_G_20140701030848.jpg