販売台数で中国最大の自動車メーカー、上海汽車集団(SAICモーター)は、シリコンバレーにベンチャー企業を設立すると発表した。
海外ブランドとの競争激化に直面している国内市場での自社ブランド強化を目指して先端技術を入手するのが狙いだ。
陳虹・董事長(会長)は、19日の株主総会ではこの計画の概要しか説明しなかった。シリコンバレーのベンチャーキャピタルや未公開株
投資会社と協力の可能性について話し合っていると述べたが、交渉相手の名前は明かさなかった。
中国の消費者の大部分は海外ブランド車を好むため、上海汽車などの国内自動車メーカーは、受けられる支援はすべて受けたいと
考えている。政府系業界団体のデータによると、同国の乗用車市場に占める国内ブランド車のシェアは5月に前年同月の39.4%から
36.5%に低下。シェア低下は9カ月連続となった。
陳氏は、海外企業は低価格車の生産台数を増やすことで、かつて国内メーカーの独壇場だった分野に参入している、と指摘した。
「ブランド構築は大変な仕事だ。中国メーカーは高級路線に移行しなければならない。そうしなければ、状況は悪化するだろう」と
語った。
また「販売台数では上海汽車は大手自動車メーカーだが、中核技術では強いとはとても言えない」とし、「シリコンバレーには
新興テクノロジー企業がたくさんある。そこに拠点を設ければ、当社のイノベーション能力を向上できる」と述べた。
上海汽車は米国でさまざまな機会をうかがう一方で、上海に新しい自動車技術を専門とする研究センターを建設している。陳氏に
よると、2015年6月に完成予定という。
陳氏は、交通渋滞や大気汚染など中国を悩ませている問題を解決するために新技術が切実に必要とされているとし、「われわれは
緊迫感をもって臨まねばならない」と語った。
さらに、習近平国家主席の最近の発言を引用して、新エネルギー車の発展は同社の優先事項だと述べた。「当社はすでにさまざまな
電気自動車を取りそろえているが、次はコストを下げて手頃な価格にする」と話した。
ソース(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303319204579641533789012514 写真=上汽通用五菱汽車の青島支社の工場
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-DI769_saic06_G_20140620072507.jpg