株式市場展望
http://on.wsj.com/1mz8Exu BEN LEVISOHN 2014 年 6 月 10 日 09:30 JST
★嵐の前の静けさなのか
子供を持つ親にとって、騒がしさよりもやっかいなのは突然の静けさだ。
幸いなことに株式市場は子供ではなく、その静けさは不安感を誘発するかもしれないが、厳しい状況が待ち受けていることを必ずしも意味しない。
先週の一連の出来事は市場を大きく動かすはずだったが、S&P500指数は小動きだった。
1日の変動は最大でも0.65%で、VIX指数は2007年2月以来で初めて11を割り込んだ。5日に欧州中央銀行(ECB)が市中銀行からの預金にマイナスの金利を
適用し、6日の米国雇用統計が強かったなど、強気要因があったにもかかわらず、である。
一部の人々にとって、平穏は不安をかき立てるだけではなく将来のトラブルの兆候である。
S&P500指数が5月23日に1900の大台を超えたにもかかわらず1日で1%も上昇できないということは、最近の相場上昇への追随に対する投資家のためらいを
示唆している可能性がある。また、超低水準のVIX指数は、2007年の市場のピークに先立って見られたような満足感を示している。
VIX指数は30日連続で14未満であり、市場の不安感の指標としては昨年11月以来のことで、その期間は毎日更新されている。
(中略)
HSBCのストラテジストであるギャリー・エバンズ氏は、低ボラティリティーは強気相場における「安定期」だと言う。
(中略)何かが間違っていることを示唆しているのではなく、むしろ多くの市場参加者が単純に間違っていることを示唆している可能性がある。
市場参加者は年初には、債券利回りは上昇を余儀なくされ、新興国市場の軟調が続き、超割高株は上昇を続けるという見方で一致していた。
いずれも実現せず、投資家は多額の損(中略)違った理由を模索したが、中でも簡単な答えが見つかっていないことは最悪の事態だ。
UBSのストラテジストであるジュリアン・エマニュエル氏は、「混乱は不安につながる。人々は様子見モードだ」と語る。
そして、待ち続けられない理由にも乏しい。結局のところ、トレーダーが休みを取り出来高が減少する夏なのだ。
(中略)サッカーのワールドカップが現地時間で12日(木)に開幕するため、トレーダーの注意もさらにモニターから逸らされるだろう。
マーケットフィールド・アセット・マネジメントの最高経営責任者(CEO)であるマイケル・ショール氏は、ボラティリティーが上昇に転じれば、
市場は下落するのではなく上昇する可能性があると語る。
同氏は、低ボラティリティーの期間は強気相場の終わり近くに訪れ、経済の潜在的な問題を覆い隠すと言う。しかし現時点では問題はほとんどなく、
むしろ、一連の好調な経済指標、良好な企業業績、米連邦準備制度理事会(FRB)の低金利政策などを楽観論の理由として同氏は挙げる。
FRBは、大景気後退から経済を癒すために何でもすると約束し、この低ボラティリティーが可能となった状況を生み出・・・
以下略