Spencer Jakab 2014 年 5 月 27 日 13:41 JST ウォール・ストリート・ジャーナル
http://si.wsj.net/public/resources/images/MI-CD093_AOT_NS_20140526164204.jpg ↑「写真」シカゴオプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)の推移
高級百貨店ブルーミングデールズのニューヨーク本店で先週、セレブ御用達のブランド「VIX」の水着セールがあった。
「VIX」のビキニを買って帰ってきた妻を見て、敏腕投資家の夫達は含み笑いを浮かべたかもしれない。
金融界でVIXとは、「恐怖指数」と呼ばれるシカゴオプション取引所(CBOE)の株式オプション価格を元に算出されるボラティリティ指数の略称だ。
ニューヨーク金融界のエリート達が夏の始まりを告げる連休の週末を過ごすためにリゾート地に向かった23日の午後、VIX指数は1年2カ月ぶりに11.45の低水準を付けた。
つまり、夏に向けて金融市場はあまりにも安心しきっているのだろうか。ウクライナや南シナ海、イランをめぐる地政学的緊張に加え、
中国政府は不動産バブル崩壊に取り組んでおり、問題が起きそうな場所はいくらでもある。
VIX指数が低いからと言って、必ずしも反転上昇する前兆とは言えない。だが過去20年間、この指数が底をつけた50回のうち34回は2006年か07年だった。
当時は、絶好調期から壮大な不況期に向かおうとしていた。
(中略)
近ごろは、ジャンク債の投資家も著しく楽観的だ。著名ジャンク債アナリストのマーチン・フリドソン氏は先ごろ統計分析を引き合いに、
ジャンク債市場は「極度な過大評価」にあると述べた。この状態は記録的な7カ月に及んでいる。フリドソン氏の計算では、ジャンク債は少なくとも1年11カ月連続で
「過大評価」されている。米証券会社リーマン・ブラザースが破綻した月に終わった過去最長まで、あと数カ月に迫っている。
(中略)
さて、祝日で営業日数が少ない今週に話を戻すと、金融市場を左右する投資家達は別荘で過ごす静かな週末がもっと増えると期待しているのかもしれない。
最も成功を収めた投資家達はこのところ、依然としてリスクの高い資産に全面的に投資している。彼らは、おそらく歴史上最も偉大な投資家である
ウォーレン・バフェットの「潮が引いたときに初めて、誰が裸で泳いでいたかが分かる」という格言を思い出したほうがいいだろう。
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304357604579587122854654790