【鉄道】北海道新幹線、「4時間の壁」やきもき 減速走行区間に関係者ら 18分の差「客足に影響」 [14/01/20]

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1依頼@@@@ハリケーン@@@φ ★:2014/01/26(日) 02:18:49.53 ID:???
■北海道新幹線 減速走行区間に関係者ら

■18分の差「客足に影響」 高速化求める声も

 2015年度末に開業する北海道新幹線には、在来特急並みの速度でしか走れない場所が
ある。青函トンネルを含む約82キロの区間だ。この区間を高速走行できるか否かが東京
から函館までの所要時間を左右する。函館の関係者は「4時間の壁」を意識し、国に高速化
を働きかけている。

 北海道新幹線は15年度末にまず新函館(仮称)―新青森約149キロが開業する。
青函トンネルを含む約82キロで速度を落とすのは、この区間が日本で初めて新幹線と
貨物列車が同じ線路を走る共用区間のためだ。青函トンネルで高速の新幹線と貨物列車が
すれ違うと、風圧で貨物列車のコンテナがへこむなどの問題が起きる恐れがある。そこで
国は、最高時速260キロの新幹線を共用区間では在来線特急並みの時速140キロに
減速して走らせる方針だ。

 国の試算によると、共用区間を最高速度の時速260キロで走った場合、新函館―新青森間
は最短で39分。新函館―東京間は新青森での停車時間を含め最短3時間39分になる。
だが共用区間を時速140キロに制限すると18分延びて、新函館―新青森間は57分、
新函館―東京間が3時間57分となる。

 実際には東京―新青森間の上下線34本のうち、最短の2時間59分で結んでいるのは
3本だけで、最長は下りが3時間36分、上りが3時間38分だ。現行ダイヤに当てはめれば
、新函館―東京はほとんどが4時間を超える。新函館から函館までは、快速列車でさらに
17分かかる。

 4時間を切るか超えるか。北海道に初上陸する新幹線に経済効果を期待する函館市や
経済界には大きな問題だ。同市は新函館開業で、観光客が50万人純増すると想定している
。同市や商工会議所などでつくる「北海道新幹線新函館開業対策推進機構」の事務局長、
永沢大樹さんは「開業へ向けて北関東や東北へプロモーションを続けてきている。だが
最大マーケットの東京を見据えたときには『4時間』がネックになる心配がある」と話す。

 交通業界には「4時間の壁」という言葉がある。新幹線の所要時間が4時間以上になると
、利用客が飛行機に流れるというものだ。国土交通省の統計を使って計算してみると、
新幹線で3時間47分で結ぶ東京―広島間の場合、JRと飛行機の利用者数は56対44で
JRが優勢だが、新幹線で4時間50分かかかる東京―福岡間の場合、JRと飛行機の
利用者数は8対92で飛行機が圧倒的に多くなる。

 函館市と同市議会は昨年7月、国に共用走行問題の早期解決を求めた。同市は「大半が
4時間を超えてしまうようだと、新幹線の『早さ』が発揮されない。所要時間が短くなれば
利便性が高まり、函館市を訪れる人も増えるのではないか」と話している。

 高速化を求めているのは函館だけではない。青森県と県議会も16日、全ダイヤの高速
走行の実現などを求めて国に要望書を提出した。

 国は、開業3年目の2018年度からは新幹線と貨物列車の時間帯を分けることで、
1日1往復に限り新幹線の時速200キロ以上走行を目指す方針だが、まだ具体的な検討
には着手していない。

(磯崎こず恵)

ソース:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20140120010500001.html