2020年の東京五輪開催が決まった。建設などインフラ系や観光産業以外にも、ネットの
世界でも東京五輪で注目を集めそうなサービスがある。GMOインターネットグループが
展開を予定する新ドメイン「.tokyo」だ。ネット上で東京が取り上げられる機会が
増えれば増えるほど、新ドメインのニーズが高まる。五輪開催は世界に飛躍する好機だ。
■今秋から有名都市名に拡大
「新ドメインの普及で東京ブランドをより高め、世界へ発信したい」。GMOインター
ネットの熊谷正寿会長兼社長は力を込める。
ドメインはインターネット上の「住所」にあたるもので、一番最後に表示されるドメインを
トップレベルドメインと呼ぶ。「.com」など分野別で22種類、「.jp」のような
国地域別で255種類のなかから選択し、ドメインを登録する仕組みだ。世界の登録件数は
2億件を突破している。
今年秋からはドメインの対象が有名都市名などにも広がる。そのため東京都が選定した
業者がGMOインターネットグループのGMOドメインレジストリだ。ドメインを管理する
米ICANNへの申請料は1件あたり約1850万円。五輪の誘致を東京と争ったイスタンブール
やマドリードからも申請があった。
「.tokyo」はICANNの審査にこのほど合格、今後はシステムテストなどを経て、
14年以降に登録受け付けを始める。まず商標登録されている製品・サービスなどを持つ
企業が対象となり、次に一般からの登録を受け付ける。当初設定する登録料は1件あたり
数百円程度で、年に1千円弱の更新料が発生する予定。ただ同じ文字列で複数から申請が
あった場合の登録料は、オークションの落札額で決まるものもある。
■数億円で取引されたケースも
「欧米ではドメインの中古販売が、デリバティブ(金融派生商品)の1つとみなされている」
とGMOドメインレジストリの安達祐介取締役は指摘する。海外ではアドレスを直接打ち込む
ケースが多く、ドメイン名の存在意義も大きい。基本的に早いもの勝ちとなるため、人気の
あるドメインを先んじて申請し、より高値で転売して利益を得る市場もある。「『.com』
の場合は数億円で取引されたドメインもあるほど」(安達取締役)
日本の場合は検索サイトから各社・サービスのサイトに移動するケースが多く、欧米ほど
ドメインの価値が高いわけではない。それでも「銀座」などの有名な地名、「保険」など
広く使われる一般名詞であれば、申請者が増えて値がつり上がることもある。
「.jp」は20年間でのべ約130万件。うち東京からの申請が4割弱を占めるとされる。
「『.tokyo』も初年度で10万件は十分に期待できる」と安達取締役。GMOインター
ネットグループのドメイン関連の売上高は年40億円ほどだが、「.tokyo」のサービス
が始まれば、五輪関連のドメインビジネスが一気に花開くかもしれない。
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http://www.nikkei.com/content/pic/20130915/96958A9C889DE7EBE7E2E2E1E0E2E3E2E2EBE0E2E3E18A8AE3E2E2E2-DSXBZO5966888013092013000001-PB1-13.jpg ◎
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