【半導体】次世代NANDで日韓2強が火花、3D対応に違いも[13/08/26

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1Biz+依頼スレ157@のーみそとろとろφ ★
[東京 26日 ロイター] - 記憶用半導体のNAND型フラッシュメモリーをめぐり、
韓国サムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)と東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)の2強による競争が激化する気配だ。
両社はこれまで微細化技術によるコスト低減と大容量化を追求してきたが、
サムスンが8月から3次元(3D)という新技術で量産に乗り出した。
東芝は当面、最先端の微細化で対抗し、15年の3Dによる量産準備を同時に進める。

堅調なスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット(多機能携帯端末)向けの需要取り込みを目指し、
戦略に違いが出始めた両社。多額の設備投資をかける次世代メモリー競争でつまずけば、ともに経営の屋台骨を揺るがしかねない。
競争の行方は両社の経営の命運を握ることになりそうだ。

<東芝は微細化でもまだ「十分戦える」>

「(工場を)しっかり立ち上げ、業界ナンバーワンを目指す」。
東芝は23日、NANDの主力拠点である四日市工場(三重県四日市市)の拡張工事を始めた。
成毛康雄上席常務は同日の起工式で、シェア首位を走るサムスンの追撃に意欲を見せた。

約300億円投じて建設する新棟は来夏に竣工し、最先端の微細化技術を使った量産を始める。
現在量産している回路線幅19ナノ(ナノは10億分の1)メートルは髪の毛1本の直径に約5000本の線が引ける細さ。
新棟ではこれをさらに狭めた技術で量産する。この結果、同じ大きさのチップでの大容量化が可能になる。

3Dのメモリーも13年度中のサンプル出荷を目指しており、新棟で15年には量産できるようにする。
ただ、設備や製造ラインの継続性などの点からもコスト力や品質の「確度が非常に高い」(成毛氏)として、
当面は微細化による生産が主になる。

田中久雄社長は7日の経営方針説明会後、前日6日に3Dによる量産開始を発表したサムスンに対し、
微細化で「(東芝が)常に先行してきており、十分に戦える」とけん制。
サムスンに「遅れているという捉え方をぜひしないでいただきたい」と報道陣に釘を刺した。

一方、サムスンは8月から華城(ファソン)事業所(京畿道華城市)で3Dメモリーの量産を始めた。
各社が3Dメモリーの開発には取り組んでいるが、量産化にこぎつけたのはサムスンが初めてだ。

1チップ当たりの記憶容量は微細化による製品の最大と同じ128ギガビット。
記憶素子を24段積み重ねており、段を積み重ねればさらに大容量化でき、
5年以内には1テラ(テラは1兆)ビットの製品も可能だという。
ノートパソコンにスーパーコンピューターに入るメモリーを搭載できる見込みだとしている。

サムスンによれば、3Dメモリーは微細化による20ナノ台の製造プロセスを使った既存製品に比べて2倍以上の記録密度を実現。
さらに10ナノ台の製品と比べ、書き換え回数などの信頼性が2―10倍に高まり、書き込み速度が2倍に向上するという。

微細化による製品に比べて3Dは、生産プロセスが増えるとしてコストの上昇を懸念する業界関係者の声も多い。
だが、サムスンは製造設備を小幅改良するだけで済んだため、生産コストも抑制できたと説明している。
サムスンのチェ・ジョンヒョク専務は6日の量産発表で「より高密度で高機能な3Dメモリーを投入し続ける」と意気込みを示した。

続きます>>2-3
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97P01J20130826
2名刺は切らしておりまして:2013/09/02(月) 22:28:25.00 ID:dKpoOFJ6
>>1より
米調査会社IHSグローバルによる12年のNANDシェアは、サムスンが36.9%で首位、
東芝は30.8%で2位。13年4―6月期には、サムスンが34.2%となり、東芝が32.5%にまで迫った。

両社は常に先端技術開発でしのぎを削ってきたが、微細化は10ナノ台に入ると技術的に難しく物理的な限界を迎えるとされ、
メモリー容量を増やすには3D化が時間の問題といわれてきた。ここへきてサムスンが3Dの量産で先陣を切った格好だ。

<技術優位性、シェア争い・収益向上に生かせるか>

もっとも技術で勝ってもビジネスで負けては意味がない。IHSグローバルの南川明主席アナリストによると、
少なくとも過去3年ほどはサムスンのほうが東芝に比べてNAND事業の利益率は平均で10ポイントくらい高かった。
だが、南川氏は「その差は急速に縮まってきており、
東芝は微細化技術によって4―6月期くらいから少しリードしつつある」と述べている。
東芝の4―6月期の利益率は「20%台半ば」(久保誠副社長)だった。

新技術だけに「歩留まりの向上も課題」(半導体メーカー関係者)とされる3Dメモリー。
サムスンのコスト力がどの程度かは不明だが、ある外資系証券アナリストは「3Dメモリー投入は予想以上に早かった。
よほど自信があるのだろう。サムスンのコスト力の象徴になる」と期待する。

東芝も競争心を隠さない。サムスンは記憶素子を24段積み重ねたが、
東芝は「もう少し積んで十分なコストダウンを実現する」(成毛氏)といい、
田中社長も「他社の追随を許さない断トツに小さいチップサイズを実現する」と優位性を強調する。

だが、サムスンは自社のNANDを搭載できる、世界で競争力のあるスマホやタブレットを持っているのが大きな強み。
一方、サムスンと米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)のスマホ2強の成長が鈍化している中、東芝は2強のみならず、
「着実に力をつけている」(東芝の久保誠副社長)中国メーカーからの注文にも期待を寄せているが、まだ未知数だ。

サムスンは来年には現在建設中の中国・西安の新工場でも3Dメモリーの量産を始める計画で、
さらなる低コスト化を実現する可能性がある。一方の東芝はテレビやパソコンの生産は海外に移管したが、
メモリーは国内での開発と生産を続けている。
国内の拠点なら「技術者が多くて集結させやすく、最先端技術を短期間で開発できる」(成毛氏)ためで、量産にもすぐ入りやすい。
今なら為替の円安効果も追い風だ。

金額は明らかにしていないが、東芝は15年度までの設備投資額1兆4400億円のうち、
NANDなどのストレージ(記憶装置)分野向け投資が、主要3分野の中で最大の割合を占める。
13年度の半導体事業の設備投資額は1700億円だ。

続きます
3のーみそとろとろφ ★:2013/09/02(月) 22:28:30.25 ID:???
>>2より

一方のサムスンは13年の設備投資額が昨年より1兆ウォン多い24兆ウォン(約2兆1200億円)。
市場環境に応じてさらに上積みする可能性もあるという。
このうち最大の投資規模となるのが半導体事業の13兆ウォン(約1兆1500億円)で、
主に中国・西安の新工場などでの生産増強に振り向ける。

NANDはスマホやタブレットなどの記憶装置として広く使われており、データセンターのサーバー向けなどでも成長が見込まれている。
IHSグローバルの予測では、2017年の世界市場は12年に比べて約46%増の325億ドル(約3兆2100億円)になる見通しだ。
どちらの戦略が旺盛な需要を取り込めるか、その帰すうは両社の経営の未来を大きく左右しそうだ。

(白木 真紀、Kim Miyoung 編集;田巻 一彦)
以上です。