三菱商事が、穀物保管倉庫や積み出し施設を運営する米国のリバー・ガルフ・グレイン(アイオワ州)を買収したことが17日、分かった。
買収により、全米最大のトウモロコシ産地のアイオワ州で集荷した穀物を、内陸水路のミシシッピ川を経由し、
ニューオーリンズ港(ルイジアナ州)から積み出す効率的な輸出ルートを確保した。
同社は、ノースダコタ州の集荷会社にも資本参加を決めているほか、
ネブラスカ州などで子会社が穀物輸出基地の能力を増強する方針。
今回の買収額は明らかにしていないが、これを含めた一連の米国での穀物事業の強化策に総額約100億円を投じる。
さらに、同社は今月初めにブラジルの穀物大手セアグロを買収したのに続き、
アルゼンチンの穀物大手ロス・グロボグループと8月にも提携する。
米国に続き、大豆生産で世界首位のブラジル、南米の有力穀物生産国のアルゼンチンにも強固な事業基盤を構築する。
特に米国とブラジルの2大生産地には自前の集荷網も整備することで、
2020年をめどに穀物取り扱い量を現在の約2倍の2000万トンに引き上げる狙いだ。
一方、こうした産地対策に並行して、消費地開拓も進める。
大豆供給契約を結ぶ中国食料大手のコフコとは、食肉加工の一貫生産に乗り出した。
食生活の西洋化でパスタやパン需要が急増するインドネシアでは4月に国内3位の製粉大手に資本参加し、
原料調達から加工までの一貫体制を築く。拡大するアジアの穀物需要を取り込むことで、
集荷網を持つ米国や南米での穀物の購買力の底上げにつなげる戦略だ。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130618/biz13061801370005-n1.htm