【トヨタ、米で燃料電池車 15年にセダン投入 】
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD120G3_S3A610C1TJ2000/?dg=1 トヨタ自動車は2015年に米国で次世代エコカーの本命とされる燃料電池車(FCV)を投入する。
4月の組織再編で北米事業全体を統括することになったジェームス・レンツ専務役員が12日、
名古屋市内での記者会見で明らかにした。同社は日本でも15年に市販する計画だ。米国でも
ハイブリッド車(HV)などエコカーの品ぞろえを強化し事業拡大を急ぐ。
レンツ氏は「15年に現地初となるFCVのセダンを投入する」と語った。FCV以外でも家庭で
充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)を含めて新製品を武器に
環境車ニーズに対応する。
米フォード・モーターと共同開発を進めるピックアップトラックや多目的スポーツ車(SUV)用
のHVシステムを「10年代後半に投入する」という。北米では既に「カムリ」などのHVモデルを
生産。HVは累計200万台を販売している。フォードとの提携などで現在は15%程度のHV販売
比率を高めていく。
レンツ氏は北米事業について「株高や住宅市場の底打ちで米経済は回復局面に入っており、過去
5年間で事業環境は最も良い」と指摘した。13年の米自動車市場は前年比6%増の1530万台になる
見通し。トヨタは6%増の220万台の計画で足元は「計画通りに推移している」という。
主な内訳は高級車ブランド「レクサス」が7%増の26万台、HV「プリウス」シリーズが5%増の
25万台、ピックアップトラックは3%増の25万台。今秋には新型カローラも投入する。
トヨタは今後も現地化を進める方針。「4月に発表したレクサス『ES』の米国生産はその一例」
(レンツ氏)。ESが加わると北米の現地生産比率は70%から75%に上昇し、従来よりも為替変動
の影響を抑制できる。
経営を揺るがした米国での大規模リコール問題を乗り越え、北米事業が豊田章男社長が掲げる持続的
成長のけん引役になれるかどうか。今年は真価が問われそうだ。
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http://www.nikkei.com/content/pic/20130612/96958A9C93819696E3E0E295E18DE3E0E2E4E0E2E3E18698E0E2E2E2-DSXBZO5613156012062013I00001-PB1-2.jpg 【プリウス北米生産、「当面は必要なし」−トヨタ専務役員】
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0420130613beak.html トヨタ自動車のジェームズ・レンツ専務役員北米本部長(写真)は12日、名古屋市内で記者団と
懇談し、ハイブリッド車(HV)「プリウス」について「今のところ新たに能力を増強して北米で
生産する必要はない」と述べた。円高でプリウスの北米生産を検討してきたが「世界の販売台数と
生産能力の見通しが釣り合っている」と、検討は続けるが必要性に迫られていないとした。
レンツ専務役員は「(現地生産には)組み立てだけでは十分でなく、すべての部品も北米で生産
しないといけない。非常に多くのハードルをクリアする必要がある」と説明。トヨタが北米で生産中、
または生産が決まっているHVは「ハイランダー」「レクサスRX」「カムリ」「アバロン」の
4車種。モーターや電池など基幹部品は日本から輸出している。
ただ「(プリウスの)販売台数が生産能力を上回って伸びる見通しになれば真っ先に手を挙げる」
と将来、現地生産する可能性は否定しなかった。