【主張】誰も批判しない日本政府による2兆3千億円のODA債権放棄〜ミャンマー会談を受けて--本山勝寛 [05/28]

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1ライトスタッフ◎φ ★
安倍首相が日本の首相として36年ぶりにミャンマーを訪問し、テイン・セイン大統領と会談した。
このこと自体は大変好ましいことであり、近年のミャンマーブームの前からミャンマー支援に
関わってきた者として感慨深いところがある。しかし、一点懸念せざるを得ない点もある。
各紙で報道されているように、今回の会談では「対日債務約2千億円の返済免除や、1千億円規模
の政府開発援助(ODA)を表明」したとのこと。(MSN産経)

実は、ミャンマーへの円借款の債務免除は今回の2千億円だけでなく、今年1月に約3千億円を
実行したばかりなのだ(外務省HP参照)。つまり今回の2千億と合わせて合計5千億円もの債権が
放棄されたということになる。そもそもODAの債権放棄は今回始まった話ではなく、毎年当たり前
かのように繰り返されている。以下がその数字だ。(外務省HP参照)

2003年度 1088億円 (ボリビア、バングラデシュ、タンザニア等7カ国)
2004年度 1699億円 (ガーナ、ニカラグア、バングラデシュ等17カ国)
2005年度 9683億円 (イラク、ナイジェリア、ザンビア等18カ国)
2006年度 1523億円 (タンザニア、マラウィ、バングラデシュ等19カ国)
2007年度  218億円 (バングラデシュ、シエラレオネ、ネパール等9カ国)
2008年度 2860億円 (イラク、バングラデシュ等、ネパール等8カ国)
2009年度   76億円 (ブルンジ、スーダン、アンゴラ等5カ国)
2010年度  164億円 (リベリア、セーシェル)
2011年度  996億円 (コンゴ民、トーゴ)

この9年間で1兆8千億円、今年のミャンマー分を入れれば10年間で実に2兆3千億円の債権が
放棄されたことになる。円借款の財源は言うまでもなく税金だ。この借款が何のために使われ、
どのような状態になっているのか、債権放棄が如何なる理由でなされ、どのような戦略的効果が
期待できるのか、失った債権の責任は誰がとるのか、政府は十分な説明責任を果たすべきであろう。
不思議なのは、マスコミはどこも当然かのように報道し、誰も批判していないことだ。

先日は奨学金滞納問題について書いたが、こちらは放棄ではなく滞納で、全体の6%と比率は
減少傾向にあるにもかかわらず、それを隠して、「過去最大の876億円にも急増している大問題だ」
と書きたてる。一方で、2兆3千億円もの税金の放棄については何も論じない。(※続く)

http://agora-web.jp/archives/1538346.html

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