【コラム】30年たって実現した自動翻訳電話--中村伊知哉(慶應義塾大学教授) [05/27]
1 :
ライトスタッフ◎φ ★:
NTTドコモが英語・中国語・韓国語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語
・ポルトガル語・タイ語・インドネシア語の10カ国語に対応した会話翻訳アプリを提供し
はじめました。クラウドのサービス。対面や電話で利用することができるといいます。
日本語の認識精度が90%、英語が80%程度といいます。おそらくこれはビッグデータを
使ったデータベースの増強により、急速に向上していくでしょう。ネット上ではエキサイト
翻訳やグーグル翻訳が活躍してきましたけど、いよいよ会話の本格実用です。
人一倍、感動しています。ぼくは世界で初めて、自動翻訳電話に関わったからです。
ホントです。
昭和60年、1985年、「自動翻訳電話システム開発マスタープラン」が政府・郵政省から発表
されました。ぼくが取りまとめ役でした。社会人になって初めての仕事でした。
前年、1984年、役所に入ったぼくは、通信自由化、郵政・通産戦争、対米交渉の最前線、
データ通信課に配属されました。全20名でその仕事をこなす狂乱の職場でしたが、それなのに、
通産省が進めていた第五世代コンピュータという国家プロジェクトの向こうを張り、第六世代の
人工知能を必要とする通信プロジェクトを立ち上げてしまったのです。新人のくせに、周りが
あまりに多忙なため、オマエやれ、と任されました。
動機は不純でした。翌年の電電公社民営化により、NTT株2兆円が政府に入る、それをいただけ
ないでしょうか、当時の郵政省の政策予算200億円の100倍でっせ、ピクピクしまんがな。その
ために、巨額の研究開発費を要するプロジェクトを用意しようとしたわけです。
やろうという方針は出たけれど、どうしていいかわからず、母校に頼もうと思い、教授になった
ばかりの京都大学長尾先生を突撃し、座長になっていただきました。京大学長や国会図書館長に
まで上られる偉い先生とは知りませんでした。音声入力、機械翻訳、音声合成の三要素を組み
合わせて一つのシステムを作る。巨大なデータベースの構築が必要になる。学界や関係業界に
よる大型プロジェクトを作るための研究会を設け、プランを作っていました。
山場は1984年の暮れ。2兆円を郵政省が取る企ては大蔵省にあえなく潰されましたが、国庫に入る
様式の運用益を研究開発に回そうという件はまとまりました。でも、それを受け持つスクラップ
組織を通産省が差し出していたため、郵政省が参加させてもらうために熾烈な政治抗争が持ち
上がりました。
研究開発への投融資制度の設計、自動翻訳電話を含む具体的なプロジェクトのラインアップ、
投融資とR&Dの組織作り、それらを一週間で揃えて闘う必要がありました。投融資組織なんて
全く経験のない郵政省は、日本興業銀行や第一勧業銀行を恫喝するかのように人材を出して
もらって泊まり込みで知恵を絞ってもらいました。そのうんと後にその銀行が合併するなど
思いもよりませんでした。(※続く)
◎執筆者/中村伊知哉
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ
強化専門調査会会長、総務省情報通信審議会専門委員など、審議会委員、研究所理事、
企業顧問を多数務めている。
◎
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2013/05/30.html
2 :
ライトスタッフ◎φ ★:2013/05/27(月) 10:22:11.57 ID:???
>>1の続き
すさまじい年末でした。一週間で10時間しか眠りませんでした。でも人間、何とかなると知り
ました。社会人一年生でそれを経験させてもらったのが人生最大の収入です。郵政・通産・大蔵
の調停役は橋本龍太郎さんでした。最後、全部を足して3で割る決着となりました。政治決着の
瞬間、それを聞いた首謀者・内海善雄課長、その後国連機関ITUの事務総長に上られました、
が、胸を押さえてバタッと倒れたスローモーションを覚えています。
内海さんは当時42歳。若いなぁ。昔の役人は、若いころに巨大な仕事をしていたんだなぁ。
投融資機関として基盤技術研究促進センターが設立されて、そこから京阪奈学研都市にATR
(国際電気通信基礎技術研究所)が設けられることになりました。ATRは世界的に著名な
メディア研究機関に成長しました。ぼくは生みの親の一人です。そう主張する人はたくさん
いるかもしれませんが、ぼくも主張します。
さて、あれから30年近く。自動翻訳電話が実現しました。もう一つ、感動的なことは、当時
想像していた姿とは全く違っていたことです。ぼくらが思い描いていたのは、黒電話で話す
中身が回線交換を通じ海外の人に翻訳される姿。当時、日米の電話代は3分1530円でした。
企業ユーザがどれくらい使うかね、というイメージ。だから、研究の中心は、国際通信を
法的独占していたKDDの研究所でした。
ところが、実現してみたら、それはスマートフォンというモバイル端末を使って、インター
ネットという通信網で翻訳される。ほぼタダ。しかも、海外の人とつながるというより、
目の前にいる対話相手に対し、ネット経由で通訳してもらうという使用法。それを開発した
のがKDDじゃなくて電電公社の末裔。じぇんじぇんちゃうやん。
おもしろいです。メディアは。
3 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 10:25:56.39 ID:gVt1ol8z
メールが普及してるから、ゆっくり翻訳してからやりとりをすればいいので、通訳とか電話はいらなくなった。
音声での翻訳は確実に齟齬が出るからな。
文章のが良い。
5 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 10:36:56.44 ID:YY+l1CVB
手が無くて操作不能な人、必殺技を叫ぶ人、とかニッチ層向け
6 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 10:38:55.78 ID:kLrR3ZIO
>NTTドコモが英語・中国語・韓国語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・スペイン語
>・ポルトガル語・タイ語・インドネシア語の10カ国語に対応した会話翻訳アプリを提供し
>はじめました。
百歩譲って「中国語」は仕方ないとしてもその次に「韓国語」を出すな。
末尾か、むしろ書かないのが正しい。
>クラウドのサービス。対面や電話で利用することができるといいます。
「といいます」じゃねーだろ馬鹿。この手のものは実用性が命。
試してから出直して来い
ようするに、予算ぶんどるためのベイパーウェアってことじゃないですか
なんで自慢してんの・・・・
8 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 10:48:12.69 ID:tKCAHWho
コンピューターがこれだけ進んでも、未だにまともな翻訳ソフトが無い現実。
グーグルの翻訳でも、海外のサイトを翻訳してまともな文章になった事は一度もない。
9 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 10:50:56.30 ID:YY+l1CVB
翻訳業界の人達の陰謀
自慢大杉。
11 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 11:41:40.03 ID:Bm/Cv3Kx
あらかじめ用意された翻訳を表示するだけの詐欺展示を
つくば万博で見せられた心の傷は死ぬまで消えないだろう
それ以後も自動翻訳という単語には、
ず っ と ダ マ さ れ て き た
もう絶対信じてやらない
12 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 11:46:26.72 ID:Bm/Cv3Kx
自動翻訳(笑) = 3Dテレビ(笑)
13 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 12:57:17.12 ID:g2j0QnAa
機械翻訳は、割り切り必要だけど、大量に読む時は、ニュアンスがわかるから便利
自動翻訳電話も、具合悪い時の状態を伝えたり、身振り手振りにプラスならあるかも
14 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 13:22:22.17 ID:zBJPbfCk
まぁゆっくり正しくて分かりやすい母国語を喋れる人間が重宝されるのかもしれないな。
なんだかんだで機械の翻訳も結構レベル上がってるしこれからも上がるだろう。
16 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 20:16:54.54 ID:hB8ybK52
>ネット上ではエキサイト 翻訳やグーグル翻訳が活躍してきましたけど
いつまでたっても使い物にならんじゃん
17 :
名刺は切らしておりまして:2013/05/27(月) 20:18:03.47 ID:hB8ybK52
>>13 医療モードとかジャンル別にすれば少しはマシになるかも
社会を変えるのは、文章の自動翻訳じゃないかな
会話はやっぱり、生声でやってなんぼだよ