22日朝の急激な冷え込みにより、県内の農作物への被害が中信地方を中心に38市町村
で16億円余に上っていることが、県のまとめでわかった。特に、リンゴやナシなど果樹
への影響が大きく、凍霜害としては過去20年で最大規模という。
県によると、22日早朝は各地で氷点下を記録し、農作物が凍結したり、霜にあったり
する被害が出た。
品目別にみると、果樹では、リンゴ8億1076万円、ナシ4億1022万円、柿1億
6410万円、モモ9202万円。野菜では、スイカ3252万円、アスパラガス2957万円
などだった。
地方事務所別にみると、松本の被害が最も深刻で、9億7763万円(被害面積1000
ヘクタール)。下伊那2億8389万円(同408ヘクタール)、長野1億7867万円
(同277ヘクタール)と続いた。
県農業政策課は「3月に気温が高く、農作物の生育が例年より1週間ほど早かったため、
低温の影響を強く受けたのではないか」と分析。引き続き、被害農家に対する技術指導を
行い、市町村が凍霜害対応の緊急対策などを行う場合には支援を検討するとしている。
松本市今井地区で約20年間リンゴを育てる上條禄郎さん(77)は、茶色の花の雌しべ
を見つめ「こんなに悪い状況は、初めてかもしれねえな」と肩を落とす。開花が迫るこの
時期、雌しべが黄緑になっていなければ受粉することができないという。
約1・2ヘクタールに植えられたリンゴの花の雌しべは、低温や霜、雪が原因で、ほとんど
が茶に変色。今年は収益を見込めなくなったが、来年実をつけさせるには人工授粉や摘果
などの作業が欠かせず手間暇もかかる。上條さんは「4月に入っての降雪が痛かった。
来年につなげるしかない」と話す。
今井地区を管轄するJA松本ハイランドによると、リンゴを中心に多大な被害が出ている
という。花の表面に異変がなくても被害が内部に及んでいる場合もあり、同JAは「品質
低下や減収は避けられず、ここ数十年で最悪の状態」と嘆く。
◇「果樹共済」加入 全体の約2割
県農業共済組合連合会(長野市)によると、自然災害や病虫害の被害額の一部を補償する
「果樹共済」に加入する果樹栽培農家は全体の約2割にとどまる。
果樹共済の対象品目はリンゴ、ブドウ、モモ、ナシの4種。栽培面積などに応じた掛け金
を農家が支払い、一定額以上の損害が出た場合、被害額の一部を補償するものだ。連合会は
、加入率の低さについて、「天候に恵まれ、近年は目立った凍霜害が少なく、リスクを感じ
ない人も多かったため」と分析する。
ただ、今回の被害では離農者が出る恐れもあり、連合会は「こうした事態は今後も予想
される。改めて多くの農家に加入を呼び掛けたい」としている。
(2013年4月27日 読売新聞)
ソース
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20130426-OYT8T01382.htm http://www.yomiuri.co.jp/photo/20130426-937455-1-L.jpg 関連スレ
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