【建設】「オール大林」の目玉技術 非常識を常識に変えた「海水練りコンクリート」[13/04/26]

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1やるっきゃ騎士φ ★
ソースは
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タブーに挑んだ研究開発が実を結び、土木建設の「非常識」を常識に変えた技術がある。
海水や未洗浄の海砂を利用したコンクリートは、鉄筋の腐食を引き起こし、膨張により
破断することなどから、土木業界では問題外とされてきた。
ゼネコン大手、大林組の副社長、金井誠(66)はこの壁を打ち破り、高強度の
「海水練り・海砂コンクリート」の開発に成功。

社内の冷ややかな目にさらされながらも陣頭指揮を執って実用化した技術は、
海水が使えることから東日本大震災を機に護岸用ブロックなどにも用途が一気に拡大。
今や「オール大林」で浸透を目指す目玉技術となった。

■岩塩層の利点に着目
「ようやく、第一歩を踏めた」。2月12日、東京・品川の大林組本社27階の役員室で
金井は、念願の技術に使えるめどが立ったことを心から喜んだ。

この日、練り混ぜ水に海水を利用して作ったコンクリート製の消波ブロックの実証実験が、
津波の甚大な被害を受けた福島県相馬市の相馬港で行われ、性能の高さが無事確認された。
結果はすぐに金井に報告された。

土木関連の実務者にとって大林組が手にした技術は、まさに「信じられない」ような
画期的な出来事だった。
うなぎ上りでインフラ需要が伸びた高度成長期にコンクリートの供給を急ぐ余り、
海砂を洗わず骨材として使ったケースが一部であった。
数十年を経て、山陽新幹線の高架などに使われたコンクリートが鉄筋のさびで膨張し、
剥落(はくらく)するといった「コンクリートクライシス」が西日本で1980年代に多発。
以降、コンクリート中に塩分の混入を試す研究は封印されてしまう。

大林組はなぜ、業界で「非常識」とされてきた海水を使う決心をしたのか。
時は、金井が土木本部長に就いた2007年にさかのぼる。

当時、金井は放射性廃棄物の国内の処分場がいずれ不足するとみて、処分場の建設に役立つ
技術の開発を研究開発テーマの一つに掲げていた。
そして1983年から85年にかけ、米ニューメキシコ州に広がる砂漠の
地下650メートルの岩塩層に大林組が放射性廃棄物処分場を作った実績を見いだす。
岩塩層は強度がコンクリート並みに強い。
さらに、水がどれくらい漏れ出るかを示す透水係数がコンクリートの100分の1と
気密性が高く、低レベル放射線を封じ込められる利点があることを確認した。

ただ、日本には自然の岩塩層が存在しない。金井は「それなら人工岩塩を作ればいい」と
思い至る。「固い構造物を作るのならコンクリート。岩塩の元は海水なのだから、海水で
コンクリートを練り上げればいい」。プロジェクトチームを結成するため社内で声を
かけまくった。

-続きます-