「ヨタ・デバイセズ」と、アメリカの大手半導体企業「クアルコム(Qualcomm)」の
子会社である「クアルコム・テクノロジーズ(Qualcomm Technologies)」は、
業務提携を結んだことを発表した。
両社は今後、スマートフォン、モデム、ルーターといった、
ロング・ターム・エボリューション(LTE)第4世代移動通信方式の最新携帯端末を
共同開発していく。
この発表は、「クアルコム」のポール・ジェイコブス最高責任者と、
「ヨタ・デバイセズ」のウラジスラフ・マルトィノフ最高責任者が、
スペイン・バルセロナで開催された国際携帯通信関連見本市「モバイル・ワールド・
コングレス2013(Mobile World Congress 2013)」で行った。
■両面表示のアイデア
「ヨタ・デバイセズ」は現在、「クアルコム」のプロセッサ
「スナップドラゴン(Snapdragon)」を使用した携帯端末を開発している。
そのうちのひとつが、両面表示のアンドロイド(Android)スマートフォン
「ヨタ電話(Yota Phone)」だ。
表面が4.3インチのカラー液晶画面、裏面が4.3インチの電子ペーパーの
イーインク(e-ink)画面になっているのが特徴で、28nmプロセスの
「スナップドラゴン」S4(MSM8960)デュアルコアを搭載している。
「クアルコム・テクノロジーズ」の上級副社長で、「クアルコム・ヨーロッパ
(Qualcomm Europe)」の社長であるエンリコ・サルヴァトーリ氏はこう話した。
「ロシアでは今後2年で3Gスマートフォンの販売が大きく伸びると考えており、
当社にとって戦略的に重要な国となっている。革新的なアイデアは世界のさまざまな
場所で生まれる。そして『ヨタ電話』も、革新的な発展を遂げようとする企業の
輝かしい例だ」。
■世界のLTE端末市場に参入へ
サルヴァトーリ氏によると、「ヨタ・デバイセズ」は今回の契約で、「クアルコム」の
アドバンスド・モバイル・サブスクライバー・ソフトウェア(AMSS)の使用権を
取得したという。これにより、「クアルコム・テクノロジーズ」の技術や製品を
基盤とした、マルチモード3Gや4Gの端末を製造することが可能となる。
マルトィノフ最高責任者はこう話す。
「このライセンス取得は、当社が世界の他のメーカーや開発者と同様の支援を
受けられることを意味する」。
また、アメリカのIT系情報サイト「テッククランチ(TechCrunch)」は、
「ヨタ・デバイセズ」が世界市場の有名な機器メーカーと効果的に競争できるよう、
「クアルコム・テクノロジーズ」が新製品開発のどの段階でも協力していくことを
意味していると説明した。
「ヨタ・デバイセズ」は、LTEルーターやモデムを含む、ハードウェアや
ソフトウェアの開発および製造を行っている民間の会社。
エンジニアは、ロシア、アメリカ、フィンランドで活動。本社はモスクワ。
同社は「ヨタ・グループ(Yota Group)」傘下の企業で、LTEオペレータの
「ヨタ・ネットワークス(Yota Networks)」などもグループ会社となっている。
-以上です-
ロシア初のスマホ「ヨタ電話」
http://nl.media.rbth.ru/web/jp-rbth/images/2013-01/big/yotaphone468.jpg