【モバイル】元祖スマホ、ブラックベリーの「技術革新の蹉跌」に学ぶ デバイス大革命(中島聡)[13/03/05]

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1のーみそとろとろφ ★
 かつて北米のビジネス向けモバイル端末として一世を風靡した「BlackBerry」が、
米アップルのiPhoneをはじめとするスマートフォン(スマホ)が台頭するなか、急速に輝きを失っている。
2月末にスペイン・バルセロナで開催された世界最大規模のモバイル展示会「Mobile World Congress」では
「第3のOS」を目指す各社の動きのなかで、姿が霞んだままに終わった。そこには経営判断の遅れから、
進化するライバルの動きに対応できなかったブラックベリー(カナダ)の「失われた5年間」が横たわる。
同社の失策から学ぶべきことは多い。

■iPhoneに比べ「1世代前のデバイス」
 1月にリサーチ・イン・モーション(RIM)から社名を変更したばかりのブラックベリー。
その発表と同時に「BlackBerry10」など新製品の発売や新OSなども公開したが、
私を含む多くの業界関係者は、同社の復権は難しいと考えている。

 BlackBerryは、2000年代の半ばには「北米で働くビジネスパーソンにとって必須のデバイス」としての地位にあった。
しかし今ではBlackBerryを使っていると「なんでまだ使っているの?」と揶揄(やゆ)されるほどの端末(デバイス)になってしまっている。

 BlackBerryは、一般的にはiPhoneや米グーグルのOS「Android」搭載機と同じ「スマートフォン」の一つとして扱われることが多い。
しかし、実際にはそれらスマホに比べると「1世代前のデバイス」である。ブラックベリーが衰退した理由はそこにある。
 そもそもBlackBerryは、00年代の初めに、「会社のメールサーバーに届く電子メールに社外から手軽にアクセスしたい」というユーザーのニーズに応えるために作られた。というのも当時は社外から電子メールにアクセスするには3つの「壁」があったからだ。

■巧みな手法で壁を越え、社内メールにアクセス

 1つは、社内ネットワークとインターネットの間にある「ファイアウオール」。
これを越えて社内のメールサーバーにアクセスするのは、技術的にも、社内の手続きの面でも、容易ではなかった。
多くの企業がメールサーバーとして採用していた「Exchange Server」を開発していた米マイクロソフト(MS)が、
インターネット標準プロトコルのサポートに積極的ではなく、サーバーへのアクセスプロトコルがMS独自のものであったことも
この問題を複雑にしていた。
1月にトーステン・ヘインズCEOは社名を「リサーチ・イン・モーション」から「ブラックベリー」に変更することを発表した=AP
http://www.nikkei.com/content/pic/20130305/96958A9C93819499E3E7E2E0938DE3E7E2E0E0E2E3E1E2E2E2E2E2E2-DSXBZO5152029008022013000001-PB1-25.jpg

続きます>>2-4
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1502A_V10C13A2000000/
2のーみそとろとろφ ★:2013/03/05(火) 12:12:30.06 ID:???
>>1より

 2つめは、通信速度と通信コストの壁。当時の米国のモバイルネットワークは第3世代携帯電話(3G)ではなく第2世代(2G)が主流だった。
通信速度が低いためメッセージを快適にやり取りするには時間がかかるうえに、従量課金だった。
このため、通信の都度、発生するコストへのユーザー企業の負担は大きくなり、携帯端末から社内メールへのアクセスすることは現実的ではなかった。
 3つめの壁は、デバイスの能力が不足していたため、添付ファイルやHTMLメールの表示は不可能だったこと。
しかもインターネットの標準プロトコルを使う場合には、定期的にサーバーをチェックしに行くポーリングという手法でしか新着メールの存在を確認する方法はなかった。

 こうした壁をBlackBerryは、巧みな手法で乗り越えて、携帯端末からの社内メールへのアクセスを可能にしたのである。

 具体的には、社内ネットワーク側で「エージェント・アプリケーション」と呼ぶアプリを動作させた。
社内のサーバーからメールを読み込み、インターネット上にあるBlackBerryサーバーに転送する。
端末はBlackBerryサーバーと専用のプロトコルで通信することにより、
伝送速度が低い通信回線でもメールのチェックや閲覧などができるようにしたのだ。

 初代のBlackBerryは、通常の2G回線よりも遅い、
ページャー(日本でいうポケットベル)用のネットワークで動作するように作られていたが、その環境でもサービスを提供できていた。
携帯電話網に特有の制御信号を使って、サーバー側からプッシュ型で新着メールの到着を知らせる仕組みを実装していたのだ。

 こうしたユニークな手法を取り入れたことで、BlackBerryは瞬く間に北米のビジネスパーソンたちに「なくてはならないデバイス」の地位を確立した。

■風向きを変えた「iPhone」の登場

 しかもBlackBerryのビジネスモデルは、端末の販売によって利益を上げるのではなく、
通信料金とBlackBerryサーバーの運営費用をひとまとめにした、
1台あたり30〜50ドルの月額課金で得られる収益から成り立っていた。
当時としては画期的な「垂直統合型」モデルを導入していた点も注目に値する。

 当時、巨額のインフラ投資によって可能になったモバイルデータ通信を、収益に結びつけたいと考えていた通信事業者たちには、
無線データ通信を活用したサービスを展開できるBlackBerryが絶好のパートナーとなった。

続きます
3のーみそとろとろφ ★:2013/03/05(火) 12:12:41.48 ID:???
>>2より
BlackBerryの圧倒的な地位は、iPhoneが登場した07年まで続いた。ただし実際にはiPhoneが登場する前から、
企業はファイアウオールのポリシーを変更して、セキュリティーを担保したうえで社外からのアクセスを容認にしていたし、
ネットワークは高速かつ定額料金で使える3Gの時代に移り始めていた。デバイスそのものの性能も桁違いに向上していた。
その意味では、iPhoneが出現する少し前から、BlackBerryが備えていた、
3つの壁を乗り越えるというこれまでにない価値は風化し始めていたのだ。
新生ブラックベリーは1月に新型機「BlackBerry 10」を発表した=ロイター
http://www.nikkei.com/content/pic/20130305/96958A9C93819499E3E7E2E0938DE3E7E2E0E0E2E3E1E2E2E2E2E2E2-DSXBZO5152024008022013000001-PB1-25.jpg
 iPhoneが画期的だったのは、エージェント・アプリやサーバーなどを一切排除し、
端末そのものがパソコンと全く同じプロトコルでメールサーバーや
ウェブサーバーと直接やり取りできるように設計されていたところにある。
インフラとデバイスの進化によって初めて可能になったことを、いち早く、誰よりもうまく端末に導入したのがアップルだった。

 そして、直感的なタッチ操作で扱えるユーザー・インターフェース、アプリ開発者が容易に参加できるオープンな開発環境、
パソコン業界で独自の地位を築いていたアップルのブランドなど、
いくつもの革新を身にまとったiPhoneは、携帯電話の世界をみるみるうちに塗り替えていった。

■「イノベーションのジレンマ」にはまった5年間

 iPhoneの登場で、BlackBerryは一気に時代遅れになったが、すぐにiPhoneに飛びついたのは一部の先進的なユーザーだけ。
その利点は必ずしもすぐには理解されず、大半のBlackBerryユーザーはそのまま使い続けた。

 皮肉なことに、この「市場の反応の遅さ」がブラックベリー(当時はRIM)の経営陣の決断を遅らせた。
彼らには、iPhoneは一般消費者向けのデバイスで、企業ユーザーはBlackBerryで十分満足しているとみえたのである。
同社の経営陣は、「既存の顧客の声をビジネスに反映する」という正しいことをしている企業が、
全く別の角度から攻めて来たライバルに台頭を許してしまうという、典型的な「イノベーションのジレンマ」にはまってしまったのだ。

 後講釈ではあるが、、ブラックベリーはiPhoneの発売前から、
3Gそしてさらに高速な「4G」時代に向け新しい価値を提供するデバイスとサービスを作って、
世代交代を自ら起こすべきだった。しかしiPhoneというライバルが現れてからも、
何が根本的に変わったのかという本質の部分に目を配らず、結果的に、開発期間も含めて5年もの遅れをとることになってしまった。

続きます
4名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 12:13:00.50 ID:4EhwsnTK
分析するだけ無駄だ
5のーみそとろとろφ ★:2013/03/05(火) 12:13:00.53 ID:???
>>3より
 2013年になってようやくBlackBerry10を発表して、世代的にiPhoneに追いついてきたが、
真新しいところはなく、かろうじて「追いついた」だけにすぎない。
初代のBlackBerryが持っていた「他では得られないユニークな価値」は提供できていない。
こうなると、iPhoneやAndroid の後追いどころか、米マイクロソフトのWindows Phoneの後追いでもあり、
第3勢力の地位すら確保は簡単ではない。

 既にブラックベリーは、ユーザーに「ブラックベリーのサービスを使わない」という選択肢を提供すると発表して、
従来型の垂直統合モデルをやめる方針を示していた。
背景には、企業が外部からの社内メールへのアクセスに対応するようになっていたことで、
ブラックベリーのサービスの存在価値が薄れてしまったからだ。
 ユニークな価値を提供できていないスマホを後追いでリリースしても、
iPhoneとAndroidに対抗することは、技術、ユーザー体験、アプリ市場、ブランドのどの面においても、非常に難しい。

■最大の失敗は「成功の継続を過信したこと」

 しかし、ブラックベリー自身がスマートフォンの世代交代を自ら起こせなかったことを、
一方的に同社の経営陣の失敗と見なすのは必ずしも正しくない。
書いた通り、BlackBerryとiPhoneとは世代が全く異なるデバイスである。
町の「氷屋さん」がたとえ「これからは冷蔵庫の時代だ」と気がついたとしても、必ずしも「誰よりも良い冷蔵庫」を作れる保証はない。

 「ブラックベリーが当時の状況をいち早く認識すれば手を打てたはず」と考える人もいるかもしれないが、ことはそれほど簡単ではなかった。
iPhoneに対抗するためにBlackBerryの基本設計をゼロから作り直したのでは膨大な開発コストと時間がかかるし、
同端末を支持しているユーザーを怒らせてしまうことになる。
ブラックベリーの経営判断のミスは、アップルがiPhoneを発売した後にも、世代交代を続けているのに気がつかず、
自分たちの成功がそのまま継続する、と勘違いしたことにある。

 今になって考えてみれば、iPhone登場直後(07年後半〜08年前半)でのブラックベリー経営陣の最適な判断は、
マイクロソフトや米ヒューレット・パッカード(HP)へ会社を売却することであった。
iPhone発表後の1年間、同社の株価は120ドル前後を推移しており、その時点で売り抜けていれば、
株主利益を最大にできたからだ(現時点は15ドル前後)。

 ブラックベリーの身売りは今の時点でも可能性は残っているが、
OSそのものにはほとんど価値はなく、唯一の価値は既存の企業ユーザーとそこからもたらされるキャッシュフローである。
HPやデル(もしくは台湾・中国のメーカー)がユーザーとの契約を引き継ぐためだけに買収する可能性はゼロではないが、
現在の株価に対して大きなプレミアムがつくことは想像しがたい。

続きます
6のーみそとろとろφ ★:2013/03/05(火) 12:13:17.66 ID:???
>>5より

 BlackBerryとiPhoneの関係と同じように、水面下では「ポストiPhone」を巡るデバイスの開発競争が水面下で始まっている。
いまいえることはその新端末が、少なくとも現在の「スマートフォン」ではないということ。
既存のデバイスの中ではグーグルのメガネ型端末「Google Glass」が一番近い位置にいるように思えるが、
これもまだ決定的とはいえない。「ポスト・スマートフォン」の戦いはまだまだプロトタイプの段階にあるといえる。

以上です。
7名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 12:24:25.07 ID:+QpbMKQr
これの信者って林檎や泥とは比較にならない狂信者なイメージがある
8名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 12:25:34.86 ID:sQHVh7VB
BB9700から機種変した俺は正しかった
もうこの会社はオワコン
9名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 12:25:51.37 ID:GBLFYrfj
> 最大の失敗は「成功の継続を過信したこと」

どこの日本企業だよw
10のーみそとろとろφ ★:2013/03/05(火) 12:28:54.26 ID:???
オバマはまだBlackBerry使ってるのかしらとオモタ
11名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 12:32:34.79 ID:vI1aiHPc
Clie(Palm) とかザウルスとか・・・
12名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 12:36:16.06 ID:Eb96o+bI
iTunesに対抗できるものが無いとダメだろ
13名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 12:44:26.26 ID:5S3BFiD6
最近海外版の9900を買ってしまった…
14名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 12:49:00.22 ID:u9MBOMK7
>>12
BBってそう言うのとは無縁な人を相手に商売してた
企業側が考え方を変えて、社内メールシステムを外部からアクセスできるようにした
それでBBのメリットがなくなった

ハードウェアキーボード?
あんなのごく一部のユーザーがありがたがってただけ

そもそもターゲットを絞って展開して、そのターゲットが代替案を手に入れたらそりゃ終わるわ
ハードやソフトの開発期間とかそんな次元じゃねーわ
15名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 13:02:26.19 ID:Szsx065p
OK Glass. record a video.
16名刺は切らしておりまして:2013/03/05(火) 13:28:43.33 ID:nPQ/xeko
元祖スマホと言えるのはPHS&ネット、GPS位置情報からの
マップその他の情報とシームレスに連携運用、カメラ全て込みの
エプソンのロカティオだろ いわゆるPDAの集大成的な機種だった
17名刺は切らしておりまして:2013/03/06(水) 02:54:43.96 ID:7CkGm9zo
元祖タブレットのザウルスとかな
ああいうのは機械そのものが凄いだけじゃダメで
その端末が楽しめる通信インフラとか色々な条件が整った時に出さないとダメなんだよ
イノベーションが普及するか否かは全てタイミング

日本企業は技術力は凄いんだけど
そのタイミングを読む力が弱い
だから随分損をしている

経営者は是非このタイミングを読むという事に全神経を集中させて欲しい

そうしないとせっかくのジョーカーも無駄になる
18名刺は切らしておりまして:2013/03/06(水) 09:56:26.66 ID:AqEE+8DB
Blackberry買おうと思ってるんだがこれ読んで不安になってきた
19名刺は切らしておりまして:2013/03/06(水) 14:48:56.83 ID:N6Z9Ykgf
>18
……え?何を苺に求めてたの?
20名刺は切らしておりまして:2013/03/10(日) 21:10:48.18 ID:/YjurWi1
>>16
Apple Newtonでは?
21名刺は切らしておりまして:2013/03/10(日) 23:31:04.99 ID:nAeSshVH
>>11
10年くらい前に新卒で就活してた時に欲しくてたまらんかったわ。
22名刺は切らしておりまして:2013/03/11(月) 00:43:43.50 ID:5zWwPSSN
>>4で話が終わってたw
23名刺は切らしておりまして:2013/03/11(月) 01:21:01.94 ID:Wm73G05u
iPhone()まえからwindows mobileでパソコンと同じ接続できていましたけどー(棒)
24名刺は切らしておりまして:2013/03/11(月) 01:34:13.13 ID:a9OFWKzY
蹉跌←これの意味が分からないから教えてくれ
25名刺は切らしておりまして:2013/03/11(月) 01:37:17.97 ID:vHDpk7F8
こういう話だと元祖PDAは〜とか、スマホの元祖は〜って言われるが
実際問題、それらはアウストラロピテクスみたいなもので、ネアンデルタール人なのが
iPhoneだったと認識していただきたい

>>17
おっしゃるとおり、フラッシュメモリ、リチウム電池、3G回線、無線LANの普及
Googleなどの検索エンジン、GPSなどの要因が揃わないとPDAとかスマートフォンは実際は成り立たなかった
26名刺は切らしておりまして:2013/03/11(月) 03:12:49.06 ID:7M7Cb0xU
iPhoneが日本で発売された直後に

「iPhone失速。これからはBlackBerryでドコモが攻勢」

とか宇宙人みたいなこと言ってたのいたよな
27名刺は切らしておりまして:2013/03/11(月) 05:19:12.33 ID:Qvc1+7aB
この記事のBlackberryをガラケーに置き換えても違和感ない
28名刺は切らしておりまして:2013/03/11(月) 05:31:00.83 ID:ZX/9C0q3
>>24
そてつ
29名刺は切らしておりまして:2013/03/11(月) 05:54:29.13 ID:ymBIsUTL
単に、imodeの話しだろ
30名刺は切らしておりまして
nokiaとかブラックベリー押していたマスコミは?(笑)