田中眞紀子文科相は、宿敵・文教族のドン森喜朗元首相が持つ「新設大学利権」獲得にNOを突き付けた
http://bylines.news.yahoo.co.jp/eikenitagaki/20121105-00022306/ ◆なぜ、こんな事態が起きたのか。事態が起きた根本には、3つの問題がある。
1つは、「学校屋」あるいは「大学屋」と言われる「学校経営」を商売にしているプロのビジネス集団の
「大学新設利権」である。
この利権集団と結託しているのが、文部科学省の大学設置・学校法人審議会である。利権集団からの
大学新設申請があると、文部科学相の諮問を受けて、検討するのだが、大体、諮問通りに答申し、
文部科学相は、認可する。
私学運営には、毎年、巨額の助成金が国から支出されるので、こんな美味しい商売はない。
新設大学の経営者である理事長以下理事のポストは、「利権屋」が独占し、文部科学省官僚の天下り先ともなる。
教授以下の教職関係者には、マスメディアの記者、アナウンサーらの再就職先として確保される。利権に群がるのだ。
356 名前:355[sage] 投稿日:2012/11/19(月) 05:32:07.10 ID:rDKnLtNR
2つ目の問題は、この「大学利権」は、自民党文教族議員が、支配、掌握してきた。旧文部省時代から文部大臣は、
概ね、福田派、三木派、中曽根派の3派閥から送り込まれてきた経緯があり、田中派や大平派からの配置は、
少なかった。この結果、自民党国会議員の族議員化が進み、森喜朗元首相(元文相)が、「文教族のドン」と
言われて、幼稚園から大学までの「私学助成利権」、日本体育協会を頂点とする「スポーツ振興利権」などを
壟断し続けてきた。森喜朗元首相は建設相の経験もあり、大学施設やスポーツ施設建設・増設について、
建設業界などと政治資金面で深い関係を築いている。これは、3年前に自民党が野党に転落してからも
変わらなかった。
この森喜朗元首相の利権の牙城に、田中角栄元首相の長女・田中眞紀子が文部科学相として送り込まれたのである。
田中眞紀子文部科学相が外務大臣のとき、その座から引きずり下ろすよう当時の小泉純一郎首相に進言し、
辞任に追い込んだのが、森喜朗元首相だった。いわば、憎っくき宿敵、政敵である。
野田佳彦首相が、この関係を熟知していなかったとしたら、迂闊であった。田中眞紀子文部科学相は、
森喜朗元首相の「私学利権」の支配、掌握下にある「新設大学認可問題」に直面して、過激反応してしまったのである。
3つ目の問題は、秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大の3大学が、正式認可も下りていないのに、
先走って、学生募集や施設拡充建設などを進めていたことだ。従来通りのやり方で、すべてうまく行くと
思い込んできた点は、軽率だった。国家財政が、破綻しているという状況のなかで、大学新設は、控えるべきで
あった。文部科学省の官僚たちも、安易であった。