【話題】「笑」う門には商機あり ビジネス界が注目[12/12/29]

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1やるっきゃ騎士φ ★
景気低迷の寒風が身に染みる年の瀬のニッポン。
そんな閉塞(へいそく)感を打ち破ろうと、ビジネスの世界では今、笑いの力に着目する動きが
加速している。
ソニーは笑わないと開かない冷蔵庫を試作、グッドデザイン賞を受賞した。
仕事上でのコミュニケーション能力を高めようと、元お笑い芸人から笑いを学ぶ講座も活況だ。
笑う門には福来る−を実践している現場を訪ねた。

冷蔵庫の名前は「ハピネスカウンター」。
幸せを数える機械を意味する。扉に埋め込まれたカメラの前で笑顔をつくってみた。
最初は笑顔が足りなくて失敗。昔の友達と再会した場面を思い出してもう一度笑うと、
「シャリーン」と電子音がしてスマイルマークが光り、鍵が外れた。
開発したのは、ソニーコンピュータサイエンス研究所副所長で東京大大学院の暦本純一教授。
最近のデジタルカメラにも使われている、笑顔を検知する技術を冷蔵庫に組み込んだ。
もともと、ITを応用して日常生活の中で自然な笑顔をつくるきっかけづくりができないか
模索していた。子どもからお年寄りまで、毎日使う冷蔵庫が一番身近な存在だとひらめき即決した。
ソニーによると、残念ながら発売の予定はないが、「会議室の入り口扉にシステムを設置したら
発言が活発になり、成果も上がったという事例がある」と暦本教授は言う。

元芸人が教えるビジネスマン向けの漫才講習も人気だ。
「笑いは大人の上質な気配り。勇気と愛情で人と接し、人間力をアップしてほしい」。
土曜日の午後、東京都世田谷区のマンションの一室で、かつて吉本興業に所属した元芸人、
殿村政明さん(44)が声を張り上げた。
ビジネスマン向けのコミュニケーション道場として2009年に始めた「笑伝塾」。
参加した10人の男性が2人一組になり、遠足をお題に漫才のボケとつっこみを考え、
皆の前で発表した。
殿村さんからは「照れてちゃダメだ。もっと感情を出して!」と熱血指導の声が飛ぶ。
受講者の一人、IT系の会社で働く同区の男性(34)は「同僚から無表情だと言われていたが、
受講を続けるうちに会話を楽しくするコツがつかめ、相談を持ち掛けられることが増えた」
と笑顔。
27歳で芸人を引退し、ハウスメーカーの営業マンに転身した殿村さん。
最初は契約が取れなかったが、お客さんを笑わせ警戒心を解くことが営業の近道だと気づいた。
「大好きなお笑いで社会に貢献したい」と、大手企業などで出張講座を開き、これまで
2万人以上に笑いのノウハウを伝授してきた。

ビジネスの場でなぜお笑いが注目されているのか。
日本笑い学会会長の森下伸也関西大教授(ユーモア学)は「古事記の時代から笑いで暗い状況を
突破する知恵があった。閉塞感の強い時代だからこそ、笑いで打って出る商品や傾向がある」
と話す。

ソースは
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012122990092427.html