[パリ 27日 ロイター]
経済協力開発機構(OECD)は27日、2014年までのスペインの財政赤字について、長引く景気後退を背景に、
政府が掲げている目標は達成できない公算で、追加緊縮措置は状況をいっそう悪化させるとの見方を示した。
OECDは「信用状況がひっ迫した環境の中、財政再建の取り組みは成長に対し通常よりも大きな影響を及ぼす見込みだ」とし、
「そうなった場合、(赤字削減)目標達成に向けた一段の措置を講じることが難しくなる。
成長率が政府の予想を大きく下回った場合はなおさら困難になる」と指摘した。
12年の財政赤字は対国内総生産(GDP)比8.1%と前年の9.4%から縮小するものの、
政府目標の6.3%は達成できないと予想。
13年についても赤字は対GDP比6.3%で政府目標の4.5%を上回るとの見方を示した。
スペインの経済成長率は、これまでに実施した歳出削減や増税のほかユーロ圏のリセッション(景気後退)が重しとなり、
12年にマイナス1.3%、13年はマイナス1.4%になる見通しとした。
スペイン政府は13年の成長率をマイナス0.5%と予想している。
OECDはスペイン経済が14年に景気後退から脱却するとみているが、成長率はプラス0.5%にとどまる公算とした。
失業率については12年の25%から13年には26.9%に悪化し、14年も26.8%で高止まりするとの見方を示した。
OECDはスペイン政府に対し、経済の競争力強化に向けた改革の続行を促すとともに、銀行セクターの再編を完了させるよう求めた。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE8AQ02A20121127