モロッコ・アガディールでの大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)年次総会は
19日、地中海、東大西洋のクロマグロの年間漁獲枠を来年500トン拡大し、
1万3400トンにすると決めた。増枠は10年ぶり。水産庁は「実質的には1999年の
漁獲枠設定以来、初めての増加で画期的だ」としている。
500トンの増枠は欧州連合(EU)が18日に提案し、日本も合意した。漁獲枠決定に
大きな影響を与える日本とEUが歩調をそろえたことで、決定に向けた流れが出来上がった。
高級すしネタとしてクロマグロの人気が高い日本は、大西洋産の約8割を消費している。
500トンの増加は直ちに価格に影響しないとみられるが、今後の輸入拡大の足掛かりに
なりそうだ。
ことし10月に開かれたICCATの科学委員会は、1970年代半ばから減少が続いていた
資源量が増加に転じたとの報告書をまとめた。これについて日本などは、漁獲枠が1万3500
トンまでなら資源は保持できると解釈するが、ノルウェーなどは短期間で頻繁に漁獲枠を上げる
のではなく、十分な科学的調査を実施すべきだと主張。決定は、双方の意見を取り入れた形と
なった。
総会では、2014年に再度、科学委員会が資源量の評価を実施することでも合意した。
より確実に資源量を評価する手法を確立し、15年以降適用するとした。クロマグロ漁を
行う各国による報告を厳格に求める規制を強化する方針も決めた。
クロマグロの資源管理をめぐっては、世界自然保護基金(WWF)が先月、00〜10年に
大西洋で捕獲されたクロマグロ1万8700トンがICCATに報告されずにパナマに輸出され、
大部分が日本に再輸出された可能性が高いと指摘した。次回総会でも大きな課題となりそうだ。
(共同)
●参考/松方弘樹さん、萩・見島で300kgオーバーの巨大クロマグロを釣り上げる
http://www.city.hagi.lg.jp/uploaded/life/26707_32384_img.jpg ◎
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/11/19/kiji/K20121119004594650.html