パートや契約社員など雇用期間が決められている有期労働契約者の待遇改善などを目的とした改正労働契約法が10日に公布されたのを受け、
神奈川県は改正法に関する電話相談「有期労働契約ホットライン」を10月に開設する。
改正法では、同じ職場で5年を超えて働いた場合、本人の希望に応じて無期限の雇用に転換できるとしたほか、
待遇に無期との不合理な格差を設けてはならないと明記した。労働基準法は1回の契約期間を原則3年以内と規定。
しかし、契約更新を繰り返して同じ会社で働く人も多かった。また、不当な雇い止めを防ぐため、雇用の打ち切りを一定の条件下で制限した。
電話相談の開設期間は10月9〜12日。労働者や使用者からの相談に職員が応じる。番号は(電)045・633・5430。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120826/kng12082621360008-n1.htm 問い
改正労働契約法が成立しました。この法律によって雇用契約がどう変わるのですか?(横浜市 K・N)
改正労働契約法とは 公明党
勤続5年超で無期雇用に
不当な雇い止め 不合理な待遇格差を禁止
今回の改正で、パートや契約社員など雇用期間が決められている有期契約労働者は、
同じ職場で通算5年を超えて働くと、本人からの申し入れに応じて期間の定めのない「無期雇用」に転換できるようになりました。
これまで有期労働契約について、労働基準法では1回の雇用契約を原則3年以内と定めていますが、
何度も契約を更新する場合の明確なルールがありませんでした。
このためパートや契約社員の方々からは、雇い止めへの不安や正社員などとの待遇格差を指摘する声が上がっていました。
パートなどの有期契約労働者は、全国で約1200万人います。
そして、このうちの約3割が5年以上の長期間にわたって同じ職場で働いています。
改正法はこうした有期契約労働者が急な雇い止めで失職し、生計維持が厳しくならないよう、雇用の安定化を図るのが狙いです。
公明、職業能力開発への支援主張
今回の改正のポイントは三つあります。
一つは、有期雇用から無期雇用に転換できる道を開きました。ただし施行前の勤続年数はカウントされません。
二つ目は、不合理な雇い止めを規制しました。何度も契約更新するなど雇用の継続に合理性が認められる場合は雇い止めができません。
これにより、例えば、雇用主が無期雇用を敬遠して、労働期間が5年に達する前に雇い止めすることはできません。
そして三つ目は、有期契約労働者と無期契約労働者との待遇に不合理な格差を設けてはならないことを明記しました。
改正法では、このほか企業の負担に配慮して、労働者が職場を離れて6カ月以上の空白期間が生じた場合は、
それまでの有期雇用期間がリセットされる「クーリング期間」も設けています。
ただ、この法律では有期雇用が無期雇用に転換されたとしても、正社員になれるわけではありません。
原則として賃金や勤務時間などの労働条件はこれまでと同じです。
このため公明党は、委員会質疑の中で、有期契約労働者についても「職業能力開発を積極的に行い、
正社員になれる道を開くべきだ」と主張しました。
これに対して、政府側も有期契約労働者などのスキルアップ(技能向上)に取り組む事業主に支援策を講じる考えを示しました。
今後、労働者と事業主に改正法の周知を図り、有期労働契約の反復更新で一定期間雇用を継続したにもかかわらず、
一方的に期間満了を理由に退職させる不合理な雇い止めなどが起こらないように監視していくことが大事です。
また、無期雇用への転換には少なくとも5年を要することから、施行から8年後に内容を見直すことになっており、
検証に基づく改善にも配慮がなされています。公明党はよりよい制度にしていくためにも、今後の検証や議論に取り組んでいきます。
http://www.komei.or.jp/news/detail/20120823_8932