8月14日(ブルームバーグ):アンソニー・ブラウン氏が最高経営責任者(CEO)の職を引き受けた6月の段階で、英
国銀行協会(BBA)は、国際金利の最も重要な指標であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の管理に責任を持つ立場にあった。
しかし、LIBORの不正操作をめぐるスキャンダルの広がりを受けて、今後は他のロビー団体とさして変わらない存在になるのは避けられそうにない。
世界各国で少なくとも10行余りの金融機関を対象に調査が行われた結果、
LIBORの操作を一部の銀行が試みたことが明らかになった。
こうした事態を受けて、英国の監督当局と議会は、LIBORの設定を監督する役割をBBAから取り上げるべきかどうか検討している。
BBAは100年の歴史を持ち、200行余りの銀行を代表する英国の金融業界のロビー団体だが、
ガイトナー米財務長官とイングランド銀行(英中央銀行)は、
LIBORが操作されていると国際決済銀行(BIS)が最初に懸念を示した2008年の段階で、
正常化の努力をBBAが怠ったと批判している。
マンチェスター・ビジネススクールの講師として銀行業の講義を行っているイスマイール・エルトゥルク氏は
「LIBORは特にそうだが、より広範な銀行業界の多くの問題についても、彼らは少しもうまく対処してこなかった。
ロンドンの金融センターとしての立場を守り、発展させる仕事は、BBAでは無理なのではないか」との見方を示す。
最近のLIBORの問題を含む一連のスキャンダルが、
欧州最大の金融センターであるシティー(ロンドンの金融街)を今年に入って揺さぶり続けている。
銀行は保険の不適切な販売の補償を監督当局から求められ、
デリバティブ(金融派生商品)の販売に関する調査も行われている。
さらに英国の5大銀行のうち、HSBCホールディングスとスタンダードチャータードは、
米国の監督当局からマネーロンダリング(資金洗浄)防止法に違反したとの指摘を受けている。
BBAの完全な排除は困難
ロンドンのオリック・ヘリントン・アンド・サトクリフの弁護士、トニー・カッツ氏は電話取材に対し、
融資を含む一部の契約には「BBAの金利」に特に言及する記述があり、
LIBOR設定に関わる役割からBBAを完全に排除することは困難ではないかと指摘。
「克服できないわけではないだろうが、検討すべき事柄であるのは間違いない」と話している。
米モルガン・スタンレーの欧州政府渉外担当責任者だったブラウン氏は、
アンジェラ・ナイト氏の後任として、BBAのCEOに9月1日付で就任する。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M8PZHT6TTDS001.html 関連スレ
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