ソースは
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86O00Y20120725 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE86O00Y20120725?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0 [1/2]
[東京 25日 ロイター] 財務省が25日に発表した6月貿易統計速報によると、
貿易収支(原数値)は617億円の黒字となった。黒字は4カ月ぶり。
輸出が4カ月ぶりに減少に転じる一方、輸入も30カ月ぶりに減少した。
欧州債務問題を契機とする世界経済の減速や、原油価格下落が影響したとみられる。
市場関係者のコメントは以下の通り。
●依然赤字に転じやすい、欧州・中国を注視
<岩井コスモ証券 投資調査部 エコノミスト 田口はるみ氏>
6月貿易統計速報で、貿易収支が市場の予想に反して黒字になったことで、一時的に
円高に動く可能性はある。が、依然として海外情勢による影響の方が大きく、
(今回の黒字の)市場へのインパクトはそれほどないとみている。
世界経済の減速の影響が出てきている。
輸入の減少の背景には、石油価格の落ち着きや商品価格の低下などがある。
輸出が4カ月ぶりに減少したのは、欧州向けの減少が大きい。全体でも一般向け機械が
減少するなど、経済の中でも設備投資が停滞しているほか、円高の影響で国内生産が
海外に転出している影響も出てきているとみている。
今後については、引き続き気温が高いこともあり、燃料等の輸入の増加が考えられる。
今回は黒字となった貿易収支だが、依然、赤字に転じやすい状況にある。
また、今後の欧州の経済の改善状況や、中国での金融緩和の動きが、経済活性化に
どの程度効いてくるかが、日本の輸出にも影響してくる。欧州、中国の状況を
注視してみていきたい。
●黒字は一時的か、需給環境は円安方向
<みずほコーポレート銀行 マーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>
6月貿易収支は黒字となったが、輸入が30カ月ぶりの減少となったことが影響した。
背景に非鉄金属の減少があるが、この要因はいまひとつはっきりしない。
ただ、項目別にみてみると、普段減っていない穀物の輸入が減っている。
現在、米国の干ばつもあり、米国からの輸入をみると、やはり穀物が激減しているので、
このあたりも輸入の足を引っ張った季節要因になったのかもしれない。
黒字になったから輸出が好調かというと、まったく好調ではなく、4カ月ぶりに
減少している。いま米国で追加緩和の話が出ようかというときに、これ以上自動車が
売れるのかというと、それは難しいだろう。欧州などは言うまでもない。
その意味で、黒字基調が続くとは思っておらず、あくまで一時的とみている。
今回は上半期の貿易収支も発表されたが、約3兆円の赤字となった。
これは昨年の赤字よりも大きく、需給環境は明らかに円安にある。
貿易収支はドル/円の下値を抑えるストッパーになるだろう。
-続きます-