7月18日(ブルームバーグ):米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)の
4−6月(第2四半期)決算は黒字となったものの、問題のある住宅ローンの
買い戻し請求が過去最高となり、不動産関連の事業改善が長続きするかどうかは
微妙な状態だ。
18日の同行発表によると、純利益は24億6000万ドル(約1940億円、1株当たり
19セント)。前年同期は過去最悪の88億3000万ドル(同90セント)の赤字だった。
不良債権の引当金は減ったものの、住宅ローン債権の買い戻しを求める債券投資家や
保証会社からの請求が前四半期から60億ドル以上増え227億ドルとなった。
FBRキャピタル・マーケッツのアナリスト、ポール・ミラー氏は
「問題が終わったとは思えない」として、BOAが「自衛して請求の一部のみを
支払うことで済ませられるか、今後も請求が続きBOAが飲み込まれてしまうのかは
分からない」と話した。
アナリストらは決算発表後の電話会議で、問題化した住宅ローンについて
ブライアン・ T・モイニハン最高経営責任者(CEO)ら経営幹部に質問。
今後の損失予想や住宅バブル時代のローンに対する請求が続いている理由などを
繰り返し尋ねた。BOAは問題ローンと差し押さえについて和解するため、
既に400億ドル余りの支払いに合意している。
請求の大半は2008年に買収したカントリーワイド・ファイナンシャルに関連している。
インターナショナル・ストラテジー・アンド・インベストメント・グループ
(ISI)のアナリスト、エド・ナジャリアン氏の分析によれば、
4−6月の1株当たり損益は一時項目を除くと収支とんとんに近く、BOAの株価は
下落した。
モイニハンCEOは経費削減を最重要課題に据え、リテール(小口金融)および
後方支援部門で3万人余りを削減する計画を既に発表している。
この日はさらに、投資銀行とトレーディング、ウェルスマネジメント事業で
30億ドルの追加経費削減方針を明らかにした。
第2四半期は住宅ローン事業の収益が増えたほか、信用損失に備えた引当金と
不動産部門の損失も縮小した。
銀行は住宅ローン債権を投資家に売却する際、問題があれば買い戻すことを約束する。
住宅ローンを裏付けとした証券に保証を付ける保証会社にも同様の約束をする。
今回の買い戻し請求は昨年発表された85億ドル規模の和解に含まれていなかった
住宅ローン証券の被信託会社からが主だったという。
「プロジェクト・ニューBAC」と銘打ったモイニハンCEOの合理化策の
第1弾は預金とクレジットカード、住宅ローン事業で50億ドルの経費を減らす
内容だった。第2段階の30億ドルと合わせ、削減幅は80億ドルになる。
これを2015年までに実施するとモイニハンCEOはこの日述べた。
経費節減第2弾では初回に比べ人員削減幅は少ないとしている。
投資銀行とトレーディング部門の人員が既に減っているためだという。
ソースは
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7D4ZG07SXKX01.html