[リッチモンド 13日 ロイター] 米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は13日、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題は、
銀行に対する社会の怒りをあおっているとの見解を示した。
ラッカー総裁はロイターとのインタビューで、金融機関が実際の金利ではなく概算金利を報告し、
それを基にLIBORを算出するという方法が不正行為につながったと指摘。
また、世界金融危機の影響が依然欧州を揺るがすなか、LIBOR問題は米金融業界のイメージに新たな打撃を与えるとし、
「今回の問題で金融業界の信任がまた傷付くことになり残念なことだ」と述べた。
総裁はLIBORの代わりの指標として、実際に成立した取引に基づくGCFレポのレートが有用の可能性があるとする一方で、
実施する前に一段の検討が必要と述べた。
米経済については、今年の国内総生産(GDP)の伸び率が2%になるとし、
従来予想から引き下げた。ただ景気後退(リセッション)入りする可能性については懸念していないとした。
世界経済の成長減速は米経済への下方リスクとなる半面、
欧州債務危機の収束や米国の「財政の壁」回避を上方リスクに挙げた。
総裁は数週間以内に、経済成長見通しを見直すとした。
また、米連邦準備理事会(FRB)が現時点で追加刺激策を実施する必要はないとの見方をあらためて示した。
その上で、実質成長率と労働市場のために中央銀行ができることが過大評価されていることを懸念していると述べた。
FRBの国債買い入れは国債市場の機能を阻害するとの懸念に対しては、
大きな問題ではないとし「市場は適応できる」との見方を示した。
FRBが量的緩和第3弾(QE3)を実施する場合、
モーゲージ担保証券(MBS)の買い入れが有効と一部のエコノミストが指摘しているが、
ラッカー総裁は「FRBが米国債だけを買い入れる政策を支持する」と言明した。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT819236520120713