[ニューヨーク 29日 ロイター]
スマートフォン(多機能携帯電話)「ブラックベリー」の次世代モデル発売を再度延期した
カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)(RIM.TO: 株価, 企業情報, レポート)(RIMM.O: 株価, 企業情報, レポート)は、
ネットワーク事業の売却やマイクロソフト(MSFT.O: 株価, 企業情報, レポート)との提携など受け入れ難い選択肢の検討を迫られている。
複数の関係筋が29日明らかにした。
関係筋の1人は、RIMが自社のオペレーティング・システム(OS)を断念し、
マイクロソフトの次期OS「ウィンドウズ8」を採用することが選択肢の1つと指摘した。
マイクロソフトのバルマーCEOは、1月にトーステン・ハインズ最高経営責任者(CEO)が就任した直後に、
フィンランドの携帯電話大手ノキア(NOK1V.HE: 株価, 企業情報, レポート)と
結んでいる提携と同様の事業提携をRIMに打診したという。
ノキアは自社のスマートフォンにマイクロソフトの最新OSを搭載する。
RIMはマイクロソフトと提携すれば、同社による出資を検討することも可能になるが、
技術の独立性が失われるため、RIMはマイクロソフトとの提携には乗り気でないという。
関係筋によると、RIMは依然として次期OSの開発を見極めたい意向を示している。
マイクロソフトはRIMが保有する携帯電話関連の特許に関心をもっている可能性がある。
RIMとマイクロソフトはコメントを控えている。
RIMのもうひとつの選択肢は所有するネットワークを
ハイテク企業やプライベートエクイティーなどに売却することだ。
しかし関係筋は、そうなった場合、残されたハードウェア部門に将来はないと指摘する。
同社は28日発表した第1・四半期(3―5月期)決算が赤字に転落。
開発に予想以上の時間がかかることが判明したとして、
今年後半に投入予定だった「ブラックベリー」の次世代モデルの発売を2013年初めに延期した。
米国株式市場の同社株価は、取引終了後の時間外取引で18%急落した。
ハインズCEOは3月に新たなOSの成功に向けて抜本的な戦略の見直しを開始した。
だが、最近の業績悪化を受けて同社の取締役会への風当たりは強まっており、
関係筋によると、取締役会は、現在の戦略では容認し難い対策も含め、
他の選択肢を真剣に模索するよう迫られている。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT818345520120629