デニムジーンズを製造するには大量の水と化学薬品が必要だが、
スイスの化学会社クラリアンツ(Clariant)はこのほど、「環境にやさしい」
新たなジーンズの製造工程「アドバンスド・デニム(Advanced Denim)」を
発表した。
同社の19日の発表によると、新技術ではジーンズ1本の製造に必要な水の
最大92%、エネルギー消費量の同30%をそれぞれ削減可能。
世界のジーンズメーカーの4分の1がこの新工程を採用すれば、
年間170万人分の飲料水に相当する水を節約できるという。
従来の技術では最大15回分のバット染料(建染め染料)と大量の化学薬品が
必要だが、「アドバンスド・デニム」なら染料1回分と、砂糖をベースにした
還元剤1種類のみで使える新しい硫化染料だけで良い。
これを多くの企業が採用すれば、年間25億ガロンの水を節約し、
830万立方メートルの廃水を出さずに済み、2億2000万キロワット時の電力を
節約することが可能だと同社技術者は説明している。
環境意識の高い服飾メーカーは何年も前から持続可能性の高いジーンズを作る
必要性にかられてきた。
現在、米ジーンズ大手リーバイ・ストラウス(Levi Strauss)など
複数のメーカーがオーガニックコットンや自然染料を使ったり、
使用する水量を減らした「環境にやさしい」ジーンズを独自開発しているが、
販売数は非常に少ないのが実情だ。
ソースは
http://www.afpbb.com/article/economy/2886204/9172142