東京証券取引所などが20日発表した2011年度の株式分布状況調査によると、外国人の株式保有比率
(金額ベース)が3年ぶりに低下した。欧州不安や世界景気の減速懸念を背景にソニーなど電機株や
金融株を手放す動きが広がった。短期の売買では外国人シェアが急速に高まった半面、成長力に着目する
年金など中長期の海外投資家は選別姿勢を強めている。
外国人の保有比率は10年度に比べ0.4ポイント下がり、26.3%と09年度(26%)以来の低水準だった。
昨年秋口以降の欧州債務危機を背景に、海外景気の影響を受けやすいグローバル企業の株を売る
動きが強まった。
業種別にみると電機や機械、金融で外国人保有比率の低下が目立つ。日本経済新聞社の調べでは
ソニーは3月末時点で約7ポイント低下し、36.5%(株数ベース)と02年度以来の水準に下がった。
「収益回復に向けた道筋が見えにくいとして手放す海外勢が多い」(外資系証券)。コマツや
野村ホールディングスも約5ポイント低下した。
一方、ローソンやファーストリテイリングなど比較的、好業績の内需型企業は2月末で外国人の保有比率が
上昇。「国内に加え、アジアでも稼ぐなど明確な成長戦略を持つ企業は買いやすい」(欧州運用会社)という。
株式市場では、外国人の売買シェアが5月に初めて7割を超えたが、短期売買を目的とする
ヘッジファンドなどが中心。中長期投資の海外勢は日本株に対して、総じて慎重な姿勢だ。
▽ソース:日本経済新聞 (2012/06/20)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC20010_Q2A620C1EE8000/