【コラム】サラリーマンは自営の気持ちがわからない-- かさこ(カメライター) [06/22]

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1ライトスタッフ◎φ ★
何もしなくても会社に行けば給料がもらえるサラリーマンのなかには、 自営業やフリーランスの
コスト感覚がまったくわからない人も多い。

学生なんかからすると、 サラリーマン=組織に縛られて自由がきかず大変 独立・フリーランス
=自由でやりたいことができる みたいな思い込みが強いが、 実はサラリーマンほど気楽な商売はない。

サラリーマンは経費意識がない。 例えば、サラリーマンは会社に行く電車賃はもらえる。 会社の
仕事で移動した交通費も基本的にはもらえる。

しかし自営やフリーはそうはいかない。 「打ち合わせにきてください!」 と気楽に言われるのは
いいが、 仕事にもならない、アドバイスを求めるだけの打ち合わせに、 何度も何度も足を運べば、
その分、交通費はかかる。 それで仕事になり、その交通費分もペイできる、 十分なギャラが
支払われるならいいが、 そういうサラリーマン感覚丸出しの、 経費意識のない人間の仕事は
必ずといっていいほど、 ギャラもしょぼい。

「えっ、このギャラでは打ち合わせで何度も足運んだ、 交通費ぐらいにしかならないんですけど」
みたいな話になりかねない。

サラリーマンは時間のコスト意識がない。 サラリーマンは決められた時間にいさえすれば、 仕事を
していなくても決められた給料がもらえる。 だから時間に対するコスト意識がない。

しかし自営やフリーはいわば自分の時間を売って仕事をしている。 ところが発注元は時間のコスト
意識のない、 サラリーマンだから、 自営やフリーの人たちに対し、 仕事の前段階の打診みたいな形で、
金も払わないのに何時間も作業をさせたりする。

こういう作業を社内でやるならいい。 なぜならこの作業をして仕事=金にならなくても、 働いた分の
対価は定額の給料という形でもらえるからだ。

しかし自営やフリーはそうはいかない。 さんざん作業させられた挙句、 仕事にならなければお金は
払いませんと言われれば、 そこに費やした時間分の自分の人件費はゼロになる。 それどころかその
時間のせいで、 他の仕事をする機会を奪われているわけだ。

日本というのはいい意味でも悪い意味でも契約社会ではない。 仕事の頼み方もあいまい。 いくら
支払うかもあいまい。 お互いの信頼関係に基づいて、 あいまいなままあいまいに作業し、 あいまい
にギャラが決められるといった、 商習慣が横行している。

もちろんそれはいい面もある。 お互い何度も仕事をしている相手だったら、 きちんとした契約を
しなくても、 きちんとお金を払ってくれるだろう、 きちんと依頼した仕事をしてくれるだろう、
という信頼があるから、契約がなくてもスムーズにいく。

また仕事なんて事前に決められることばかりでなく、 後からあれも必要、これの必要になったり
するケースはあるわけで、 その度ごとにこまかな契約書結んでいたら、 ビジネスのスピードが
落ちてしまう。

だから私は何でもかんでも欧米みたいに、 事前の契約で、仕事の範囲をきっちり決め、 その対価を
決めるというやり方がいいとは思えないが、 お金と時間のコスト意識のないサラリーマンが、
まるで部下を使うかのように、 自営やフリーに金になるかもわからない作業を、 信頼関係を
悪用してさみだれ式に頼むという弊害もある。(※続く)

http://blogos.com/article/41714/
2ライトスタッフ◎φ ★:2012/06/22(金) 18:48:17.62 ID:???
>>1の続き

サラリーマンは一度自営なりフリーなりで、 仕事をしてみればいい。 そうすれば、例え、金に
ならなくても、 何か作業を依頼すれば、自分の時間を費やし、 自分のお金(交通費や電話代など)
を使うことがわかるだろう。 そしたらむやみやたらにフリーの人間に、金を払うあてもないのに、
何でもかんでもやらせるということはなくなるだろう。

海外取材をする際、 海外在住の日本人コーディネーターや日本人ライターを使うが、 彼らは
欧米流がしみこまれているので、 何か頼めばその分きっちりお金を請求してくるし、 事前に
頼んだ仕事以外の作業が発生すれば、 その分、追加料金を請求してくる人が多い。

しかし日本にずっといるサラリーマンは、 そういう感覚がないから、 「なぜそんな金、請求して
くるんだ」 「金にうるさいやつだな」みたいな捉え方をしがちだが、 それは日本流のサラリーマン
感覚に過ぎない。

もちろん海外在住の日本人のなかには、 欧米人とビジネスをする時とは違い、 日本人と仕事を
する時には、日本流に合わせてくれて、 あいまいな仕事範囲やあいまいな料金体系に、 理解を
示してくれることもあるが、 そうした相手の善意につけこんで、 何でもかんでも作業をやらせて、
少しのギャラしか支払わないというのはおかしいなと思う。

私は今、会社員でもあり個人でも仕事をしているので、 両方の論理がわかる立場にいる。
会社員の立場でフリーのデザイナーやカメラマン、 ライターに仕事をする際には、 事前に
きっちりギャラと仕事の範囲を明示するようにしているのは、 私が個人でも仕事をしていて
その気持ちがわかるからだ。

一方、個人でいろいろ仕事を頼まれる時には、 予算があまりないけど仕事の前段階で、 いろいろ
作業をしてほしいという、 サラリーマンならではの論理もわからなくもないので、 何でもかんでも
事前にはっきりギャラと仕事範囲を明示せよ、 とはいわないが、 人の好意につけこんで、あれも
これもやれ、 でも金は払わんみたいな話になりかねないので、 どこかで線引きはするようにしている。

サラリーマンと自営ではまったくコスト意識が違う。 その違いを認識した上で仕事をしないと、
思わぬトラブルになるので注意したい。

・・・・・・・・ これまで11冊の写真撮影を担当した、 グラフィック社の背景ビジュアル写真
資料集は、 4月に発売された「ヨーロッパの邸宅・宮殿・教会」をもって終了となったが、
次回から、ヨーロッパに絞った写真資料集の発刊予定していた。

私から、 1巻:ヴィラ、パラッツォ、邸宅(イタリア、南仏) 2巻:カントリーハウス、湖水地方の
古家(イギリス) 3巻:古城、貴族・領主の館(フランス・ロワール、スペイン) 4巻:パリ、
ロンドンのアパルトマン の企画案を出し、企画が通って、 1巻発刊のため、8月の撮影やアポ取り
のため、 イタリアとドイツのコーディネーターを使って、 撮影旅行の段取りに動いていたが、
降りることにした。(※続く)
3ライトスタッフ◎φ ★:2012/06/22(金) 18:48:32.83 ID:???
>>2の続き

出版社の担当編集者が、 撮りたい物件が事前に言っていたのとは、 その度ごとにころころ変わり、
段取りしてはまた組みなおし、 段取りしてはまた組みなおしが、延々繰り返され、 これ以上、
際限のない曖昧模糊とした注文を聞いていると、 とてもじゃないが仕事として成り立たないと
判断したからだ。

しかも私だけが動いているなら、 私がその分の作業時間は泣き寝入りすればいいが、 すでに
海外のコーディネーターたちも動いており、 このままどうしようもない船頭(編集者)に
振り回されると、 撮影後もいろんな数限りない無理難題を言われかねない。

担当の編集者はサラリーマン感覚しかなく、 海外のコーディネーターや私が、 時間と経費を
自腹で払って動いているという感覚が、 多分わからないからだと思う。

そんなわけで本企画は降りましたが、 代わりに個人的に海外旅行をし、 これに代わるいい写真集
を出したいと考えています。

◎執筆者/かさこ(カメライター=ライター&カメラマン、トラベルライター、金融ライター)
1975年生まれ、横浜在住。2000年25歳から編集・ライターの仕事を、2002年27歳から
カメラマンの仕事もしています。世界各国、日本各地を飛び回り、取材・撮影したストックを
生かした、記事の提供、執筆、写真貸出などを中心に活動を行っています。
30カ国、44回海外旅行。合計滞在日数470日(2012年1月現在)。
写真集12冊、一般書籍6冊、合計18冊の著書(2012年3月現在)。←以下のリンクに著書リストあり
http://www.kasako.com/profile.html
4名刺は切らしておりまして:2012/06/22(金) 18:49:17.60 ID:iFWDoETb
せやな
5 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 【東北電 80.4 %】 :2012/06/22(金) 18:49:52.34 ID:wH1G7O/d
なんだ、ただの八つ当たりかよ
6名刺は切らしておりまして:2012/06/22(金) 18:50:21.21 ID:uv3H5dMC
人が動けば金も動く
7名刺は切らしておりまして:2012/06/22(金) 18:50:25.17 ID:qNqxSTV0
かさこ地蔵
8名刺は切らしておりまして:2012/06/22(金) 18:52:10.26 ID:4cJ289tn
サラリーマン
こっちはビジネスマンなんだけど
9名刺は切らしておりまして:2012/06/22(金) 18:54:01.67 ID:l7fxnXE6
昨今ではサラリーマンが気楽な商売とも思えんけど、コスト意識なしに仕事頼む人は多いね
俺も自戒しないと
10名刺は切らしておりまして:2012/06/22(金) 18:54:31.36 ID:D0bAI84H
「私はサラリ君のファンです」まで読んだ