【コラム】オウム・高橋容疑者逮捕は、原発再稼働や消費増税強行を目立たなくする政府の"秘策"--五十嵐仁(法政大教授) [06/15]

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1ライトスタッフ◎φ ★
やっぱり今日捕まりましたね、オウム真理教の高橋克也容疑者です。東京・鎌田の漫画喫茶に
いたところ、よく似た男がいるとの通報によって警察が身柄を確保し、指紋を照合して本人と
確認されたそうです。

3党による税と社会保障の一体改革についての密室協議の期限とされているこの日に、多分、
捕まるのではないかと思っていました。大飯原発の再稼働に向けて、大飯町長がゴーサインを
出した直後でもありますし……。

6月9日付けのブログ「秒読みに入った大飯原発の再稼働」で、私は次のように書きました。
 
この再稼働決定の発表を目だ立たなくする秘策が密かに練られているという噂があります。
まさか、オウム真理教の高橋克也の逮捕とぶつけるために泳がしている、などということは
ないでしょうね。

これから数日間は、この高橋容疑者の逮捕の報道で持ちきりということになるでしょう。
すでに、NHKとTBSは特別番組を組んで速報していました。

私のブログでの記述は大飯原発の再稼働問題についてのものですが、結果的に、一体改革に
ついての合意への動きも「目だ立たなくする」ことになるでしょう。大飯原発の再稼働に
ついての最終判断を行う関係閣僚会議も明日にでも開かれるそうですから、まさに「煙幕」
としては格好のタイミングになりました。

これは、果たして偶然なのでしょうか。この絶妙のタイミングは、余りにも政権・与党に
とって都合が良すぎます。

原発再稼働や消費増税など国民が反対する愚策の強行に「ぶつけるために泳がしている」
のではないかという「噂」は、必ずしも「げすの勘ぐり」ではなかったようです。この
ような「秘策」を駆使してまでも、原発の再稼働や消費増税を強行したいということなの
でしょうか。

◎執筆者/五十嵐仁
法政大学大原社会問題研究所教授・所長
専門分野:政治学、戦後政治史、労働問題、労働政治、選挙制度
関心領域:日本の政治と労働に関わるすべての問題

◎原題は【余りにもタイミングの良すぎるオウム真理教・高橋容疑者の逮捕 】
http://blogos.com/article/41230/