(記事序文略)
賛否両論あるものの、全体的には否定的な意見の方が多いような気がするのも、また事実。そう。例の事件。
いやいや、事件などとは申し訳ない。5月中旬から、「スカイマークエアライン」の座席のシートポケットに入れられているという
“サービスコンセプト”である。 (中略)
・物議を醸すスカイマークエアラインの“コンセプト”
「荷物はお客さん自身でちゃんと収納してね。うちの客室乗務員の中には、タメ口だったり、茶髪でギャルメークしているのも
いるかもしれないけど、それ、会社もオッケーしてるのよ」
「子供が泣いてても客室乗務員のせいじゃないし、時には厳しい口調で命令することもあるけど、それには絶対従ってね!
とにかくヨロシク! まぁ、言いたいことがあったら、相談センターか消費生活センターまで、是非!」
という、これまでのエアラインでは考えられない“奇抜”なコンセプトを打ち出したのである。 (中略)
・感情を労働の一部として提供する「感情労働」
その真意がどこにあるにせよ、「オ〜、よくぞここまで言い切った!」──。これが私の率直な印象である。
だって、客室乗務員の仕事を「感情労働(エモーショナルレイバー=emotional labor)」としてとらえるならば、
このサービスコンセプトが搭乗料金の値下げにつながっているというロジックが成立するのだ。 (中略)
・スカイマークは“感情労働”分の賃金を払っていない?
つまり、今回賛否両論を起こしているスカイマークのサービスコンセプトで言うならば、
「うちの客室乗務員には、乗客を“満喫”させることを求めていないし、“感情労働”分の賃金を払っていません。
そのコスト削減分を価格に反映しています。目的地までお客様を“安全”に届けるためのコストしかかけていないのです」
というメッセージだったと受け止めることが可能となる。同時にそれは、社員へのメッセージでもある。
「我が社はあなたたちに、乗客を“満喫”させることを求めていない。あなたたちは、安全に乗客を届ける仕事に専念してください」
「でも、それって、ほかの航空会社と真逆じゃん。お客をいかに満足させるかってサービスをウリにしている会社もあるでしょ?」
その通り。LCCの中にも、スカイマークとは180度真逆の、“満喫”できるフライトを、ウリにしている企業がある。(中略)
だが、こうした航空会社も、“感情”をタダだとは考えてはいない。ちゃんとコストもかけている。
乗客を満喫させるスキルを客室乗務員が身につけるための訓練を徹底し、おカネも時間も注ぎ込んでいるのである。
・顧客を満足させるにはコストがかかる
そうなのだ。本来、顧客を満足させる、のは、タダじゃない。
スカイマークのように客室乗務員から「感情労働」分のコスト削減額を価格に反映するという企業もあれば、
価格には反映せずに客室乗務員に投資している会社もある。
やり方は違うけれども、お客様を“満喫”させるには、コストがかかるという認識はしっかりと持っている。
顧客を満足させるのは、タダじゃない。このことを一体どれだけの企業が理解しているのだろうか。(略)
(
>>2以下に続きます。長文なのでかなり略しています。全文は記事をごらんください)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20120605/232989/?P=1