福岡市早良区の西新商店街連合会(約160店)が、商店街になじみの薄い
若者にも足を向けてもらおうと、小中高校生5人によるアイドルグループの
プロデュースに乗り出した。地元アマチュアバンドによる商店街のテーマ
ソングも完成しており、「アイドル、バンド、商店街の3者がタッグを組んで
街全体を盛り上げたい」と力を込めている。
「AKBやHKTに負けたくない!」と声をそろえるのは、約50人が応募した
連合会のアイドルオーディションを勝ち抜いた11〜15歳の5人。近くの学校や
ダンススクールに通う彼女たちにとって、商店街はまさにホームタウンだ。グループ
名は募集中だが、地域密着を印象づけるため、グループの活動では全員「西新」の
姓を名乗る。
戦後間もない時期のリヤカー市から始まった西新商店街。2003年2月に商店街
入り口にあった西新岩田屋が撤退。昨年3月の博多駅ビル開業も逆風となり、
「ここ15年で人通りは半分近くに減った」と関係者は嘆く。近くには西南学院大が
あるが「買い物は天神がほとんど。商店街は1、2回しか行ったことがない」(同大
文学部3年の女性)のが実態だ。
アイドル5人の使命は、若者の商店街離れを食い止めること。夏以降、商業施設
「西新エルモールプラリバ」で月1回程度の公演を行い、市内のイベントで
オリジナルの歌やダンスを披露する。ノーギャラだが、商店街の各店舗がヘア
メークを担当したり、衣装を貸し出したりしてもり立てていくという。
起死回生の起爆剤はもう一つ、商店街のテーマソングだ。作詞作曲したのは県内を
拠点に活動する男性4人組バンド「THE RUN’S(ザ・ランズ)」。東京の
イベント企画会社が3月に福岡市で開いたコンテストで優勝した彼らに商店街
関係者が目を付け、楽曲提供を依頼した。
リヤカーを追い越して百道浜まで歩いて行こう 福岡タワーやドームさえも巻き
込んで踊らせてしまおう
アップテンポな「めんたいロック」に乗せて、にぎわう商店街をイメージ。
タイトルはなぜか「リメンバー リバプール!」で、CD化も予定している。
同連合会の鳥巣勲会長(60)は「活力を感じない商店街にお客さんは来ない。
新しい風をどんどん取り入れて上昇気流をつくっていきたい」と意気込む。
●西新商店街をPRするアイドル5人組。「地域密着で頑張りたい」と意気込む
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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/305723