日立ハイテクノロジーズは覚せい剤や麻薬などを検出できる小型の質量分析計を開発した。
価格や重量を通常の質量分析計の10分の1以下に抑えながら、尿中の薬物などを1000万分の1の濃度まで調べられる。
今後規制が進むと見られる「脱法ドラッグ」への即時対応も可能。
持ち運びできる大きさの薬物用の質量分析装置は世界初という。
12年度内に製品化し、13年度以降、国内外で販売する。
新開発した装置は重量10キログラムで、価格は1000万円程度を想定する。
警察庁や日立製作所、山梨大学、神戸学院大学と共同開発した。
イオン源や分析モジュールのサイズを見直すことで、装置自体を小型化した。
試料を装置に設置すると、独自アルゴリズムを使って測定開始から5分以内で薬物の含有の有無を判断する。
検出されれば、画面に薬物名が自動表示される。
通常、質量分析計の操作には専門知識が必要だが、捜査現場で捜査員でも簡単に使用できる。
近年は、違法対象となる薬物は増加傾向にある。
新製品はデータベースを調整するだけで違法薬物の検出種類を増やせる。
これまで、捜査員が捜査現場で薬物を判定できる機械はなかった。
試薬キットが普及しているが、増え続ける違法薬物への対応が課題だった。
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201205230019.html