2011年WSJアジア・ベスト・アナリスト・ランキングの日本編では、メディア、テクノロ
ジー分野などのアナリストが多数ランクインした。
国別日本1位・メディア部門1位:小池隆由氏(ゴールドマン・サックス証券/メディア&
インターネット)
小池隆由氏(43)は2000年にメディア、インターネット部門をカバーし始めたとき、両業界
の成長性を認識した。
小池氏によると、従来のメディア企業がインターネットを通じて事業展開する例が増えて
おり、インターネット企業も発展している。企業間のクロスオーバーが多く、提携の増加
が大きなチャンスになっているという。
一例は、自身が昨年長く買い推奨を維持したグリー JP:3632 -3.36% 。この銘柄のリターン
はこの間132%、通年で158%だった。同氏によると、昨年初め時点の同社はユーザー
ベースこそ非常に大きかったが、ユーザー当たり平均収入は低かった。そのため、スマート
フォン向けのソーシャルメディアゲームと同様、ユーザー当たり平均収入に大きな成長
余地を見いだしている。
以下、小池氏に2011年のベスト・ワースト推奨と2012年の見通しを聞いた。
■2011年のベスト推奨
当社では2011年1月4日にグリーの投資判断を「買い」(コンビクション・リスト採用銘柄)
とし、2011年8月18日に「中立」にダウングレードした。グリーは日本最大級のモバイル
のソーシャルゲーム向けソーシャルネットワーク事業者である。
当社では2011年初時点でグリーのソーシャルゲームの潜在成長力を高く評価していた。
これは、(1)ソーシャルネットワークが持つ強いユーザー基盤とネットワーク効果、(2)
ARPU(ユーザー当たり平均収入)の拡大余地の大きさ、(3)スマートフォンへの高い対応力
、など。当社では予見できる業績拡大ポテンシャルが株価に十分に織り込まれたと判断
し、2011年8月に投資判断を中立に引き下げた。
投資判断を引き下げた後、当社では中立を維持。2013年以降の中期成長性のビジビリティ
の低さが株価を抑制すると判断した。背景は、(1)国内における利用者数の拡大余地が
限定的、(2)中期的なゲーム進化とARPU上昇の道筋が不透明、(3)海外展開の難易度が高い
、などのため。
■2011年のワースト推奨、もしくは推奨すべきだったと考える銘柄
楽天 JP:4755 +0.36% は2011年には順調に推移したが、当社では投資判断を買いにはせず
、中立を継続した。当社では楽天の成長性、競争力の持続性を十分に理解していたものの
、バリュエーション分析の結果、当社カバレッジのメディア/インターネット銘柄相対で
割安と判断しなかった。
ソース:jp.WSJ.com
http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/11239/ http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/images/120514_takayoshi_koike.jpg/10404226-1-jpn-JP/120514_Takayoshi_Koike.jpg_image_Col3wide.jpg (つづく)
>>1のつづき
■2012年の見通し
インターネットセクターのテーマは、(1)スマートフォン/タブレットの普及と生活者の
行動変化、(2)ソーシャルメディアやビデオ関連サービスの進化、(3)海外展開、など。
メディアセクターのテーマは、(1)余剰資金の活用とROE改善、(2)インターネットを活用
したビデオ関連サービスや広告事業の開発、(3)海外展開、など。
当社では業界構造変化の中、優勝劣敗がより明確となると考えており、銘柄選択の重要性
が増すと考えている。
<中略>
国別日本の4位以下は次の通り。
4.大石益美氏(いちよし経済研究所/小売り・アパレル)
5.富松陽介氏(メリルリンチ日本証券/IT)
6.米島慶一氏(バークレイズ・キャピタル証券/インターネット)
7.高井晃氏(大和證券キャピタル・マーケッツ/大手銀行)
8.北見雅昭氏(メリルリンチ日本証券/サービス)
9.風早隆弘氏(ドイツ銀行証券/小売り)
10.フィリッパ・ロジャーズ氏(ゴールドマン・サックス証券/銀行)
-以上。省略部分はソース参照-