【欧州危機】ギリシャはいつデフォルトすべきか 英Financial Times紙[12/05/15]

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2のーみそとろとろφ ★
>>1より
■欧州に不利益でも追い出される可能性

 欧州の条約には、ユーロ加盟国が単一通貨から離脱する条項がないし、どこかの国を追放する条項も当然ない。
条約は、EUの通貨がユーロであることも定めている。理論上は、欧州中央銀行(ECB)はギリシャ国債を担保として受け入れることを拒める。
緊急流動性支援の要請を拒むこともできる。そうなれば、ギリシャは「自発的に」ユーロ圏から離脱せざるを得なくなる。
だが、これは信じ難いほど敵対的な行為だ。

 ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相は、ユーロ圏はギリシャ離脱に耐えられると確信している。
この見方は、ギリシャの債務交換への債券保有者の自発的な参加に対してユーロ圏は容易に対処できると述べた同氏の判断を思い出させる。
今回の判断も、長引く誤算の連鎖の1つになる恐れがある。
筆者自身は、ギリシャが離脱を強いられたら投資家はユーロ解体に賭けて激しい攻撃に出ると思っている。

 金融不安が感染する、不確かなリスクもある。格付け機関のフィッチ・レーティングスが11日の連立協議に際して述べたように、
ギリシャの離脱はユーロ圏の格付けに悪影響を及ぼす。ギリシャを離脱させてもEUの利益にならないとのツィプラス氏の指摘は一理ある。
問題は、それでもユーロ圏は指導者が状況を読み誤って、結局ギリシャを追い出しかねないことだ。

 4番目の選択肢は、今すぐ自発的に離脱することだ。
ギリシャの輸出産業は極めて小さいし、シティグループのウィレム・ブイター氏が指摘したように、
離脱で高まる競争力は、すぐに国内政策によって損なわれてしまうだろう。

■最善は財政収支均衡後のデフォルト

 4つの中で最悪の選択肢は、実は1番目だ。EUとIMFのプログラムに従うと、ギリシャは10年にわたる恐慌に苦しみ、
必然的にユーロから離脱する羽目になり、民主主義が崩壊する可能性さえある。

 筆者の考える最善の選択肢は、2013年までにプライマリーバランスを均衡させ、
その後に民間、公的を問わず残った対外債務をすべてデフォルトする戦略だ。
ギリシャ国外では不評だろうが、ギリシャをユーロ圏から追放しにくくなるはずだ。

 ツィプラス氏のやり方はリスクが高すぎると筆者は思う。だが、ギリシャ国民が同氏に投票する理由は分かる。
ツィプラス氏の立場は、経済再生の観点を何一つ示せない緊縮・中道路線の既成勢力より明らかに理にかなっているからだ。
今のギリシャは1930年代前半のドイツと同じだ。

■デフォルトは後からすべき

 ここで残るのは、デフォルトを後でするか、今するかの選択だ。筆者は後でデフォルトする方がいいと思う。
より穏やかに財政を調整でき、賢明な改革をいくつか進められ、ギリシャがユーロ圏内にとどまる確率を高めるからだ。

 悲しいかな、今の政治の勢いは反対方向に振れている。

以上です。