(2012年4月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ドイツで開催中の世界最大の産業見本市「ハノーバー・メッセ」では先進技術を駆使した製品が披露され、
ドイツと今年の主催パートナー国である中国との競争が、いっそう激しさを増す様相を呈している。
■転職傾向の強い中国人労働者
両国のライバル関係は技術開発にとどまらない。両国は最も優秀な技術者の獲得競争でも火花を散らしているのだ。
世界的に競争力の強い中国企業の台頭で同国の賃金水準が上昇を続けるなか、
独企業は一流の中国人エンジニアを引き寄せ定着させるために、より有効な手段を繰り出す必要に迫られている。
世界有数の産業用送風機メーカーであるEBMパプストのハンス・ヨヘン・バイルケ最高経営責任者(CEO)は
「高い技術をもつ中国人労働者、特に長期的に仕事を任せられる人材を獲得するのは難しい。
彼らは中国国内で転職する傾向が非常に強い」と打ち明ける。
■ドイツ国内でも中国人採用
ドイツ南部ムルフィンゲンに本社を置く同社は、1996年に中国に進出。
今では現地に1400人の社員を抱える。しかし労働者の争奪が激しくなり、ドイツの大学でも中国人の就職希望者を探し始めた。
これまでに数名の中国人学生を採用している。
ドイツの大学で工学技術を学んでいた張福海(29)氏も昨年EBMに採用された。
中国人の妻もやはり同社で働くエンジニア。現在は人口3700人のムルフィンゲンに夫婦で暮らし、働いている。
ハノーバー・メッセに設置された同社ブースで張氏は「夢のような仕事で、誇りに思っている。
私にとってドイツの文化やノウハウを身につける絶好のチャンス。いつか中国の子会社で働ければいいのだが」と語った。
ギアモーター大手のSEWオイロドライブを経営するハンス・ソンダーマン氏も同様に、
ドイツ国内で中国人エンジニアを採用していると話した。
同族会社のSEWは1997年に中国市場に参入。現在、同国に3600人の社員がいる。
ソンダーマン氏は「彼らは非常に優秀だ。研究開発職として採用したい。
早い段階で彼らと接触するためドイツの各大学と協力している」と述べた。
■機密漏洩への懸念も
中国の温家宝首相は23日、メルケル独首相とともにハノーバーの見本市を視察した。
その後、両国の企業経営者らを前に講演し、中国は知的財産権を守ると明言した。
一方、独企業は機密情報にかかわる産業で中国の若者を雇い入れることはリスクだとの認識を強く抱いている。
バイルケ氏は皮肉まじりに言う。「志願者の経歴はもちろん念入りに調べる。
過去に人民解放軍の士官学校に在籍していれば、さらに綿密に探っている」
ソンダーマン氏も「社員を1人失うリスクにとどまらず、知識を持ち去り自己利益のために流用される恐れがある」と話す。
それでも、SEWでは独企業の価値観や道徳観を中国人社員に浸透させることで、近年は離職率が低下したという。
ソンダーマン氏は「社員を定着させたければ、その社員自身にその企業の社風や、
ドイツの家族企業という文化を理解してもらう必要がある」と話す。
http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C93819584E0E6E2E2E38DE0E6E2E6E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E2 http://www.nikkei.com/content/pic/20120424/96958A9C93819584E0E6E2E2E38DE0E6E2E6E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2-DSXBZO4073224024042012000001-PB1-3.jpg >>5 その考えは、枝野経済産業大臣のお考えとは大きく違うな。
枝野大臣は、就任の記者会見で、
経済成長は、自己目的化して、必ずしも国民の幸福につながらなかった。
自分は従来型の産業の発展による経済成長を目指さない、
これからは老人介護と子育てと所得の再配分で消費を促し、
それで景気を良くしていく、
とスピーチして、史上初めての経済成長を目指さない経済産業大臣といわれている。
国民の大多数に、老人介護や子育ての仕事をさせる と仰っているんだ。