デンソーは27日、自動車用半導体の工場を富士通セミコンダクターから譲り受けることで基本合意したと発表した。
デンソーが富士通セミコンの岩手工場(岩手県金ケ崎町)の経営権を10月1日付で取得し、
車載用半導体の生産能力を2016年度以降に現在の1.5倍に引き上げる。
北米市場の回復や新興国市場の拡大に対応する。
譲渡額は明らかにしていない。岩手工場は現在、
自動車向けのマイコンや家電用のシステムLSIなど半導体の前工程製造を手がけている。
10月以降も、生産する半導体は富士通セミコンの既存顧客に供給を続ける。
デンソーは段階的に自社利用比率を高め、16年度までに全量を自動車用に利用する体制に改める。
岩手工場の経営権がデンソーに移る10月以降も約530人いる従業員の雇用は維持する。
半導体の前工程製造を手がけるデンソーの工場は、愛知県内にある2カ所のみ。
自動車市場の拡大に伴い、生産能力が不足する恐れがあった。
自前で新工場を建設するより投資効率が高いとみて工場買収を決めた。
富士通セミコンは工場譲渡で資産効率を高める。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E0E5E294988DE0E5E2E6E0E2E3E08698E0E2E2E2