野村ホールディングスはM&A(企業の合併・買収)助言業務の陣容を拡大する。
外資系銀行などから即戦力となるバンカーの起用を開始するほか、超難関の試験を
通過し4月に入社する「グローバル型社員」として採用した新入社員から
最大15人程度を同部門に配属する計画だ。需要が一層高まるクロスボーダーでの
助言業務を強化する。
複数の関係者によると、野村は高い英語力やバンカーとしての専門性、会計・法務の
知識などが求められるグローバル型社員を約50人採用したもよう。
今春の全体の新卒採用は約600人だが、グローバル型は報酬も国際標準で、
通常採用の約3倍が支払われる。同社のM&A業務に携わる人員は現在140人。
野村は昨年の日本企業関連のM&Aアドバイザリーランキングで首位。
今年は日本企業による海外企業の買収がさらに拡大すると見込んでいる。
グローバルM&Aを統括する野村の奥田健太郎執行役員は、
ブルームバーグ・ニュースの取材に応じ、仕掛中のパイプライン案件は「かなりある」
と指摘した上で、「われわれは海外資産の買収を模索する日本企業の需要に
応えることに敏感になっている」と述べた。
また、中国企業の日本での買収に加え、両国での合弁会社設立の動きも顕著になる
と見通している。
グローバル型社員は、書類審査や複数回の面接を経て選抜される。
高度な専門知識・技術を駆使して国際金融市場で多額の利益を稼ぎ出す
モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスを就職先に選ぶ傾向のある
優秀な学生を確保・育成する狙いで、制度は2年目に入る。
(ブルームバーグ Takahiko Hyuga)
ソースは
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120330/bse1203300504002-n1.htm