企業にとってのソーシャルメディアの可能性と課題を考える「ソーシャルメディア
サミット2012」=アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)主催=が9日、
東京都内で開かれた。AKB48の架空の新メンバーが登場した江崎グリコ
「アイスの実」キャンペーンを企画した電通の中尾孝年さん、ウェブプロデュース
などを手がける「チームラボ」(東京都文京区)代表の猪子寿之さんら、ソーシャル
メディアに携わる企業関係者12人が意見交換。AMNの徳力基彦さんらが司会を務めた。
徳力社長はサミット冒頭、「2011年はソーシャルメディアバブルの年だったが、
期待が高すぎて失敗した企業が多いのではないか。もっと効果的に活用するために、
弱点と効果、将来像について語ってほしい」とあいさつ。
続くパネルディスカッションでは、中尾さんがグリコのキャンペーンの舞台裏を
「新メンバーの誕生日をグリコの創立日にしたり、ほくろの位置を実在メンバーの
1人と同じにしたり、合成と気づかせるヒントをちりばめ、ファンがしゃべりたく
なる状況を設定した」と明かした。また、ソーシャルメディア活用は「心の中を
クロスメディアにすること」で成功するのではないかと語った。
一方、炎上などのリスクについては、「企業にとって、本当に大変なのは本来の
製品事故などで、コミュニケーションの齟齬(そご)で起きる問題は、誠意を持って
対話をすれば対処できる」(博報堂DYメディアパートナーズの森永真弓・上席研究員)、
「炎上は、ソーシャルメディアの外で起きている問題が可視化されたにすぎない」
(高広伯彦・スケダチ代表)などの指摘があった。
その後、ソーシャルメディアの効果の測り方や、ソーシャルメディアの将来像についての
パネルディスカッションが行われた。
また、同日、AMNの独自調査による第3回「ソーシャルメディア活用企業TOP10」
の結果が発表された。前回に続き、もっとも積極的に使っているのは日本コカ・コーラ
だった。調査は、メディア、ネット企業を除いた大企業300社を対象に、ツイッター、
フェイスブック、ユーチューブ、ミクシィ、グリーなど計九つのソーシャルメディアの
公式アカウントやアプリの有無、登録者数などを独自に調査して指数化。利用企業上位
50社を抽出した。
●左から、スケダチ代表の高広伯彦さん、博報堂DYメディアパートナーズの
森永真弓上席研究員、電通の中尾孝年さん
http://mainichi.jp/select/biz/it/news/images/20120309mog00m020024000p_size5.jpg ◎ソーシャルメディアサミット2012
http://agilemedia.jp/sms/ ◎
http://mainichi.jp/select/biz/it/news/20120309mog00m020025000c.html