政府の国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)は2日、イノベーション(技術革新)支援策について議論し、
民間議員5人が医療や環境・エネルギー分野での新産業・新市場創出に向けた戦略を提言した。
産学連携で医薬品の開発力向上を促す「創薬支援機構」の設置や環境技術の海外展開などを盛り込んだ。
民間議員は岩田一政日本経済研究センター理事長や経済同友会の長谷川閑史代表幹事ら5人。初めて連名で提言した。
首相は民間議員からの提言を受け「それに沿って進めていきたい」と指示した。
提言では、医薬品の輸入品が増えているとして、創薬支援機構の設立などを通じた国内供給力の拡大策を記した。
医薬品と医療機器の法的な分類を別にし、医療機器の承認を迅速化する法整備を提言。
遠隔医療の普及に向け、処方箋の電子化で早急に工程表をつくるよう求めた。
環境・エネルギー分野では、2020年度までに段階的に全ての新築住宅・建築物に省エネ基準への適合を義務付けるよう提言した。
経団連や経済同友会など民間横断で、日本の競争力強化に向けた施策をまとめる仕組みも提唱した。
首相は4月をめどに「医療イノベーション戦略」の素案を報告し、
今夏には環境分野の規制改革などを含む「グリーン成長戦略」を策定することを指示。
新成長戦略の実施状況を調査し、今春をめどに「中間決算」を発表することも要請した。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E2E0E2E19A8DE2E0E2E1E0E2E3E08297EAE2E2E2;av=ALL