【コラム/教育】大学秋入学は就活問題を改善するか 尾崎教授のグリーンビジネスコラム[12/02/29]
【日本版コラム】大学秋入学は就活問題を改善するか
2月9日のコラム「『大学秋入学』の落とし穴 議論の迷走と状況悪化が危惧される理由」で、
秋入学自体は大学の国際化にあまり役立たないということを書いたのだが、「視点がユニークだ」といった反響を結構いただいた。
そこで、このテーマについて、もう少し語ることにする。
今回は秋入学が企業の通年採用、外国人留学生採用などにどのような影響を及ぼすかを考えてみたい。
結論から言うと、秋入学に移行したとしても、学生採用の現状の問題解決にほとんど役立つことはないと思われる。
ただ、学生が進路を決める今の仕組みは問題だらけで、企業、大学ともに改善が必要であり、そのためには秋入学の議論は良いキッカケになるかもしれない。
■経団連の就職協定見直しとユニクロの通年採用
まず、企業の最近の学生採用に関する重要なトピックとして、「採用解禁後ろ倒し」と「通年採用」について整理しておきたい。
昨年末、経団連の就職協定が変更となった。例年であれば大学3年生の10月に会社説明会が「解禁」になっていたのだが、
それでは学生の就職活動が長くなり過ぎるという批判が強まり、昨年は2カ月遅れの12月に説明会解禁となった。
経団連の動きと並行して、学生が1年中いつでも応募できる通年採用も増えつつある。
代表例は「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングである。昨年12月、同社は2013年入社の学生を対象に通年採用を行うことを発表した。
ファストリの採用方法は単に通年だけでなく、1年生から応募が可能で、学年、新卒・中途、国籍を問わないオープンなもので、
日本企業としては画期的な内容である。ファストリは、留学生も差別せず、多様な人材の獲得ができると語っている。
この二つのトピックをめぐって提起されている主な論点は下記のようなものである。
1)採用期間はどの程度が適切か
2)一括採用と通年採用どちらをとるべきか
3)企業はどのような人材を採用するべきか
これらのテーマについて行われている一般的な議論がなぜ迷走しているかを説明し、どうあるべきかを考えることにする。
■経団連の方針変更が日本全体を変えるわけではない
企業、学生双方にとっての負担を考えると、採用期間は短い方が良いに決まっている。
したがって、経団連は期間を2カ月短くしたわけだが、これは日本全体で見れば、大して問題解決になっていない。
なぜなら、経団連加盟企業・団体は約1603社(2011年6月時点)に過ぎず、日本全体の事業所数(約604万社)の0.1%にも満たないからである。
採用期間の短縮によって、経団連加盟企業や一部の大企業、有名企業は恩恵を受けるかもしれないが、
その他大勢の中堅・中小企業にとって状況は変わらない。
というのは、中小企業が大企業と同時期に内定を出しても、学生が辞退して大企業に行く可能性が高いからである。
大企業は4年生の1学期に内定を出すが、中堅以下の内定はどうしても秋までかかってしまう。
つまり、解禁日が3年生の12月に変わっても、中堅以下は1年近く採用を続けることは変わらず、これでは企業も学生も疲弊する。
続きます
>>2-5 http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_400636
>>1 より
この状況を改善する案として、中堅以下は採用開始日を、例えば4年生の1学期まで後ろ倒しすることが考えられる。
こうすると、「良い人材を先に取られてしまう」という批判が出そうだが、そう感じる企業は経団連と同時期に採用を行えば良い。
ただ、大企業の人事部によると、現在の採用システムは必要とする人材をうまく採用できていないという意見が多い。
つまり、他に先駆けて内定を出しても、必ずしも良い人がとれていないことになる。
むしろ、他社と違う方法をとった方が、優秀だが大組織に興味がない学生の関心をひくだろう。
■「青田買い禁止」をやめて、企業は自由に採用してはどうか
ユニクロの通年採用開始によって、「一括採用と通年採用のどちらが良いのか」という議論が激しくなっている。
しかし、この問いには普遍的な結論は出ない。一括と通年どちらにも長所と短所があり、
どちらをとるかは企業の経営判断であり、横並びで行う必要がないからである。
一括採用はなかば日本の伝統になっているし、「同期」というインフォーマルなグループを社内に作ることができるが、
硬直的で、外国人を含む多様な人材の採用には向いていない。
通年採用は一括採用の欠点を補い、長期のインターンシップ(学生を試用期間にかけることと同じ)を併用すれば、
企業、学生が入社前にお互いをよく知ることができる。ただ、採用期間が長くなるので、企業、学生ともに負担が大きくなるという欠点がある。
私は就職協定を廃止して、企業が自由に採用すれば良いと思っている。
人材採用は企業経営の根幹で、横並びで行う必要はないはずだ。「青田買いが悪い」というのは固定観念に過ぎない。
通年採用にすると学生の負担が増えるといっても、既に述べたとおり、現状は通年採用とあまり変わらず、既に負担が大きい。
むしろ、早目に就職が決まれば、留学やボランティアもできる。現状では就活に時間を取られて、
国際的な人材が求められていると知りながら、留学を躊躇(ちゅうちょ)する学生が少なくないのである。
ただ、採用期間を3年の春休みと4年の夏休みに集中させて、講義に支障が出ない「協定」を結ぶことを企業にお願いしたい。
1年生も対象にした通年採用を行うと、企業の採用コストが上がるという批判が出るだろう。
内定を出した学生が「他社に逃げない」よう、つなぎ止める時間とコストがかかるからである。
しかし、これは日本企業独特の考えで、国際的には異例のやり方である。
例えば、米国企業は一時期に新人が大量に入社するということはない(一応、5月卒業に合わせているが)。
企業は採用計画に基づいて必要な人数だけ採用し、内定した学生が他社に逃げたら、その時点で穴埋めするだけである。
「学生が他社に逃げたら人事部の責任」と考える日本企業は世界的に特殊なのである。
こういう時こそ、就職浪人で骨がありそうな若者(新卒に限らず)を採用すれば良いではないか。
続きます
>>2 ■「国際的視野」が必要とされるは一部の学生だけ
企業に「どのような人材を採用したいですか?」という質問をすると、
回答上位を占めるのは、「将来ビジョンがある人」「コミュニケーション能力が高い人」「国際的視野を持った人」といった内容である。
しかし、たかが数回の面接で学生の将来ビジョンなど分かりようもないし、コミュニケーション能力を重視し過ぎると、
口だけ達者な「マニュアルタイプ」が増えてしまう。
これらにも増して違和感が強いのは、学生に対して一律に国際的視野を求めることである。
国際的視野など、ごく一部の学生が持てば十分だろう。ユニクロやコマツであれば、
当然のように海外でハードワーキングする覚悟がある学生が必要だが、
経団連以外の大多数の企業はそのような人材を必要としていない。
むしろ、人手不足が目立つ、医療・介護分野、地方の企業はユニクロと異なったタイプの人材を必要としている。
企業が必要とする人材を語る時、どうしてもユニクロ型の人材を対象にするが、大多数の学生はそれを目指していないのだ。
こういう話をすると、やれ、「差別的だ」「不公平だ」という批判が来そうだが、世の中は不公平なものである。
大企業と中小企業、東京と地方、国内とグローバルのように、世の中至るところに差別がある。
しかし、学生にとっては、自分の価値観、能力、働く気力に合わせて最適な居場所をさがすことが大事である。
インターネットエントリーができるので、誰もがファストリのような有名企業に入れるという幻想を持ち、
場合によっては定員の数万倍の申し込みがある。
結果として無駄な時間を使うのだが、この方がよほど差別的である。
企業の学生採用の問題は秋入学への移行によっては解決できないものばかりである。
しかし、この際、改善方法を真剣に考えるべきだ。最後に訴えたいことは、
企業は自社が必要とする人材のスペック(属性)を、コミュニケーションや国際性だけでなく現実的に見直し、
大学教育もその目標に合わせるべきということである。
秋入学について議論するより、このテーマを話し合う方がはるかに重要だと思う。
いや、大学一律ではなく、個々の大学による行動開始がより必要かもしれない。
以上です。
4 :
名刺は切らしておりまして :2012/03/03(土) 10:25:08.47 ID:bHsiwaVZ
5 :
名刺は切らしておりまして :2012/03/03(土) 10:27:54.44 ID:zIfHPo3d
改善するはずないじゃん
東大>>>>>>一橋>>>>>>>>>>京大() すでにこの序列になっててワロタ
劇的に改善しなければダメ案と見なす風潮なんとかろよ
8 :
名刺は切らしておりまして :2012/03/03(土) 10:44:27.51 ID:O6iSBbTP
中国政府公認の中国の一流大学 旧帝、総計に相当 その名はC9 リーグ
C9 League
http://en.wikipedia.org/wiki/C9_League Fudan University
Harbin Institute of Technology
Nanjing University
Peking University
Shanghai Jiao Tong University
Tsinghua University
University of Science and Technology of China
Xi'an Jiao Tong University
Zhejiang University
9 :
名刺は切らしておりまして :2012/03/03(土) 10:47:13.96 ID:O6iSBbTP
THES世界大学ランキング2012年発表
中国の大学のランキング
49. Peking University
71. Tsinghua University
192. University of Science and Technology of China
226-250 Fudan University
251-275 Nanjing University
276-300 Sun Yat-sen University
301-350 Shanghai Jiao Tong University
301-350 Zhejiang University
351-400 Harbin Institute of Technology
351-400 Wuhan University
http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2011-2012/asia.html
10 :
名刺は切らしておりまして :2012/03/07(水) 16:33:58.68 ID:qZoV03In
【日本版コラム】『大学秋入学』の落とし穴 議論の迷走と状況悪化が危惧される理由
尾崎弘之 東京工科大学大学院ビジネススクール教授
海外の大学院生にとって選択対象になりにくい日本の大学
日本が科学技術立国を唱えるのであれば、高度な研究に従事する大学院生を多数集めたいところ
である。ところが、現実は厳しい。タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)が昨年10月に発表した
世界大学ランキングによると、トップがカリフォルニア工科大学で、上位をハーバード大学、スタンフォード
大学、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学などが占めている。アジア最上位のわが東京大学は30位
である。THE以外にも様々な大学ランキングがあるが、概ね、英語圏や欧州の大学が上位を占めている。
なぜ、このようなランキングになるかといえば、欧米のマスコミや団体がランキングを発表しているから
である。さらに、評価基準が英語圏の大学に有利に作られている。例えば、THEの評価項目は、教育、
研究、論文引用数、国際性、産学連携である。これで高い評価を得ようと思えば、研究も教育も基本的に
英語で対応しなければならない。特に米国の大学には世界中から優秀な学生が大挙して集まり、当たり
前のように英語で教育と研究を行う。英国だけでなく、他の欧州の大学も総じて英語への適応力が高い。
これでは、東大に優秀な研究者が多いといっても、大学全体の評価では欧米に見劣りするのはやむを
得ない。中国の極めて優秀な学生が、東大とスタンフォード大学を天秤にかけることは現実的にないのだ。
つまり、日本が秋入学に変わっても、それだけでは、優秀な大学院生が海外から集まらないことになる。
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_389568 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120209-00000001-wsj-bus_all
11 :
名刺は切らしておりまして :
2012/03/07(水) 16:34:36.79 ID:qZoV03In 2008年3月25日、参議院文教委員会での谷岡郁子議員の質疑の一部
【優遇される留学生】
○谷岡郁子君 おっしゃることも一面では理解できます。しかし、私に言わせれば、隣近所の付き合いの
ために隣の子の学費を出して自分の子の学費を出さないということに等しいことが行われているのでは
ないかとやはり思ってしまうわけでございます。
最後から二枚目に付けました資料を皆様御覧いただきたいと思います。
ここに書きましたのは、留学生学費の国際比較ということで書きました。オーストラリアの公立の場合、
・・・(中略)・・・そして、アメリカの公立では、自州の学生に対しては五十五・〇万円に対して、外から
来る者、留学生を含むんですけれども、百四十七・八万円の二・六九倍。
大体平均して三倍ぐらい留学生の方が高い。なぜならば、先ほど申し上げましたように、既に国民の
税金を投じているもの、州民の税金を投じているもの、それを払っている親の子たちというものは安くて
当然だと。そして、その場限りの教育を受けに来る者たちに対しては一定重く払ってもらっても結構だと。
その他特別な政府の事情がある場合に対しては、その上で留学生に対しては何らかの給付を行うという
ことは当然あると思います。そして、大きな金額をもらっている留学生もいると思います。しかしながら、
留学生の授業料の方が国民の授業料よりも高いのが普通でございます。
それに対して、日本を見ていただければ分かりますように、先ほどありましたように、国費留学生、
私費留学生の違いはございますけれども、言わば国立大学では留学生は、国費留学生の場合は
ほぼただです。日本の学生は授業料を払っております。そして、私費留学生の場合でもほぼ半額で
ございます。私立大学に行っている学生でも三分の一程度は実は日本政府がお金を支給しているという
ことでございます。
http://unkar.org/r/diplomacy/1261827647/17-18 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/169/0061/16903250061002a.html