国内スポーツ用品メーカーを代表するアシックスとミズノが、今夏のロンドン五輪に
合わせて、欧州の取引先ら250〜300人を対象にした大規模な観戦ツアーを
実施することが24日分かった。マラソンを観戦しやすいようコースに面した建物を
借り切ったり、人気種目のチケットを手配したりする。国内市場の縮小が見込まれる中、
「至れり尽くせり」の接遇で、欧州市場の拡大を目指す。
スポーツ用品会社では、独アディダスがロンドン五輪組織委員会の公式スポンサーで、
国内各社は会場付近での販売促進が難しく、“草の根”活動で取引先とのパイプを太く
する狙い。
アシックスは250人程度のツアーを企画。欧州はもともと同社のランニング靴ユーザー
が多いことで知られ、五輪開催を弾みにファンの掘り起こしを図る。
例えば、マラソンでは折り返し地点近くの建物を借りる契約を結び、「参加者には
食事を取りながら、くつろいで観戦してもらう」。欧州は連結売上高全体の約3割を
生み出す。土方政雄執行役員は「商品だけでなく、当社の全体像を理解してもらう
絶好のチャンス」と意気込む。
これに対し、ライバルのミズノは、東欧や北欧などの取引先を中心に300人程度の
ツアーを予定する。欧州売上高はアシックスの5分の1以下だが、2、3年前から
各地の市民マラソンに協賛して、知名度アップを図ってきた。
五輪ツアーには、取引先のほか、これらマラソン大会の上位入賞者も招き、グループ
ごとに希望種目の観戦席も確保する。上治丈太郎副社長は「ランニング関連商品を
中心に攻勢を強める」と意気盛んだ。
デサントもロンドン五輪の準備を着々と進めており、欧州を舞台にした競争が本格化する。
◎アシックス(7936)
http://www.asics.co.jp/ ◎ミズノ(8022)
http://www.mizuno.co.jp/ ◎
http://sankei.jp.msn.com/west/west_sports/news/120225/wsp12022510380005-n1.htm