【人材育成】識者「科学技術立国の危機」--大学生数学基本調査で判明した深刻な状況 [02/24]

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1ライトスタッフ◎φ ★
【科学技術立国の危機 大学生数学基本調査】2012.2.24 23:04
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120224/edc12022423050002-n1.htm

グローバル人材の育成が求められ大学の秋入学が議論される中、交渉力に直結する
論理力や科学技術の基礎となる「数学」の初歩が身についていない大学生の深刻な
状況が明らかになった。識者からは「科学技術立国の危機」との声が上がっている。

大学生の数学力低下は1990年代から指摘されるようになった。高校の補習をする
大学も年々増え、文部科学省の平成21年度調査では約37%に当たる全国274
大学で実施。さらに、最近は数学力の低下に拍車がかかり、入学試験や大学1年生の
期末試験で全く意味が通じない解答が増えてきているという。

今回、調査の対象となった大学生は、教育内容が大幅に削減された平成10年改正の
学習指導要領で学んだ、いわゆる「ゆとり世代」。ゆとり教育では、授業時間を減らし
基礎をしっかり身につけさせることが目的だったが、今回の調査で、基礎的な要素
すらも習得できていないことが改めて裏付けられた。昭和大の小野博客員教授は
「数学以前に日本語の文章力ができていない」とも指摘する。

こうした事態を受け20年に改正された新学習指導要領では知識を定着させるため、
授業時間を3割増やして繰り返し学習を実践。実際に「書かせる」授業も増やし
思考力を養っていくことを目指すが全面実施は小学校で今年度、中学校で来年度からで、
「成果」が表れるのは何年も先だ。

「秋入学」の検討に代表されるグローバル化を目指す大学改革の流れでは、学生の質の
向上が求められる。日本数学会理事長の宮岡洋一東大教授は「数学は科学技術を支える
基盤であり、数学で育まれる論理力は国際交渉でも不可欠。資源に恵まれず災害の多い
日本では知的水準を上げなければ生き残ることができない」と危機感を募らせている。


【大学生の4人に1人「平均」分からず 数学基本調査、論理力欠如明確に】2012.2.24 23:03
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120224/edc12022423040001-n1.htm

大学生の4人に1人は平均の意味が分からず、マークシート入試が中心で論理的思考力が
低下している−。日本数学会が24日、発表した大学生数学基本調査の結果から数学に弱い
大学生の実態が浮き彫りになった。同会は「論理を正確に解釈する能力や整理された形で
記述する力が不足している」と分析している。

調査は昨年4〜7月、全国の48大学で受験を終えたばかりの1年生を中心とする約6000人
を対象に実施。偏差値群から東大・京大など最難関国立大を「国立S」、難関を「国公A」、
中堅を「国公B」とし、私立もSからCまでの4グループに分け、文系・理系別でも分析した。

小6で習う「平均」について「生徒100人の平均身長が163.5センチ」から導かれる
こととして、3つの選択項目すべてで正答を選べたのは76.0%。国立S群では94.8%
と高かったが私立B、Cは半数が不正解だった。(※続く)
2ライトスタッフ◎φ ★:2012/02/24(金) 23:34:40.33 ID:???
>>1の続き

「偶数に奇数を足すと必ず奇数になる」ことを数式と文章で説明する中2レベルの問題は、
正答とほぼ正答をあわせても全体の33.9%。国立S群は76.6%だったが、私立は
最難関のS群でも27.8%と4人に1人にとどまり、入試で記述式を採用している国立
難関校とそれ以外とで大きく差がついた。

誤答例には「思いつく偶数と奇数を足したら全て奇数だった」と例を示して論証としたり、
「偶数は2で割り切れ、奇数は2で割ると1余るから」と偶数・奇数の意味を反復したり
するものがみられた。

同会は「大学には数学の入試問題をできるかぎり記述式に変更し、中学、高校は受験対策
でなく思考力を高めるよう指導してほしい」と訴えている。