【M&A】JFEとIHI、造船子会社を合併:国内トップ級、競争力強化 [12/01/30]

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51名刺は切らしておりまして
造船再浮上なるか[中] 日経 2012.2.22
規模追求か、ニッチ特化か 中韓勢にらみ戦略二極化

 国内販売比率が2割に達したハイブリッド車(HV)など、エコカー(環境車)人気が続く
日本の自動車市場、実は造船の世界でも「エコ」がキーワードになりつつある。

「エコ」に活路

 エンジンの燃料効率を引き上げたり、風や波の抵抗を受けにくいよう船体の形を工夫したりして
省エネ効率を高めた「環境負荷低減船(エコシップ)」。(略)
燃料の重油価格が高止まりするなか、船体価格は1〜2割高くても顧客の評判はいい。
何よりエコシップは「韓国や中国勢より日本が先行する分野」(三井造船の加藤康彦社長)だ。
新たな市場をつくれば活路が生まれる。
 開発力の強化に向けた取り組みは再編の引き金にもなる、IHIの造船子会社と10月に合併する
ユニバーサル造船の三島慎次郎社長は「設計部門の人員を厚くし、新型船の開発を迅速に
立ち上げるのがひとつの狙いだった」と明かす。
2社を合わせた開発人員は約1500人。国内で最も技術力が高いとされる三菱重工の規模を抜き、
一気にトップに躍り出る。
 だが、日本の造船会社がすべて積極的な攻めの戦略をとっていくとは限らない。家電業界がとった3D(3次元)
テレビに代表されるように、メーカーが「高付加価値品」を目指しても市場からそう評価される保証はないからだ。
三菱重工のある幹部は「今までと同じビジネスモデルでは結局は生きていけない」と断言する。

技術流出恐れず

 その同社が関係者を驚かせたのが海外への造船ノウハウの売却だ。2011年末、インドの機械大手
ラーセン・アンド・トゥブロ(L&T)と提携。L&Tの造船部門に技術を供与し人材も育成したうえで、
将来の共同受注の道を探る。業界ではタブーとされた技術流出の懸念が強い海外提携に踏み切ることが、
同社の路線を象徴する。
 10年7月には神戸造船所(神戸市)の閉鎖を表明。貨物運搬船などの商船から撤退し、長崎などでの
大型客船といった特殊船の建造に集中する方針を打ち出している。(略)「自らが手掛けない分野は
海外も含めて他社に任せていく」(幹部)。(略)
 JFEとIHIの造船統合は、中韓勢と真正面から戦うために必要な大規模化の課題を改めて浮き彫りにした。
ただ、三菱重工のようにあえて別の道を行く戦略もあり得る。フルラインの巨大造船会社と、得意分野を絞った
ニッチトップと、戦略が二極化してゆく可能性が高い。

…後略。