東京大学が、秋入学の検討を本格的に始めた。9月〜10月の入学が主流である海外、特に欧米の大学と
歩調を合わせることにより国際的な人材育成を目指すもので、早ければ年度内にも決定、5年前後で移行を
実現したいという。
多くの企業もグローバル人材に注目している現在、東大のこの試みは大きな反響を呼んでいる。実際、
各企業の経営陣、人事担当者はこう話す。
「もう日本人の『会社員』はいりません。必要なのは『幹部』だけです」(金融)
「幹部候補の日本人以外は、優秀なアジア人が欲しい。みんな母国語と英語をしゃべれるし、熱心だから
日本語もすぐ覚えるし」(システム)
「予想もつかない今後の日本でサバイバルできる人材であるか? 採用は、中国人、韓国人、台湾人、
ベトナム人、フィリピン人、タイ人、インドネシア人、すべてがライバルと思ってほしい」(食品)
「ならば、幹部を目指せばいいのでは?」、就活生はこう思ってしまいがちだが、ベストセラー
『ウケる技術』(新潮文庫)の著者、人材コンサルタントの小林昌平氏の意見は厳しい。
「それはごく一部のエリート学生のみの選択肢です。付け焼き刃で『幹部候補』になどなれっこない」
では、多くの“非エリート”就活生は、どうすれば就職できるのか。一流会社に勤務しながら現役東京
大学1年生でもある小林氏が、こうアドバイスを送る。
「ほとんどの学生に残された最後の道は超優秀なアジア人兵隊、つまり『スーパーサイヤ人』ならぬ
『スーパーアジア人』なのです」
スーパーアジア人とは?
「華僑、印僑と呼ばれる人たちがいますよね。中国、インドをルーツにもちながら世界をしたたかに渡り
歩き、どこでも生息できる商人タイプ。そして21世紀は彼らの時代ともいわれている。だったら今こそ、
日本も対抗軸として『日僑』を打ち出すしかない。それが『スーパーアジア人』戦略です。日本のエリート
学生が内向き・保守的になってる昨今、非エリート大学の学生は、その真逆の『スーパーアジア人』の
ポジショニングをアピールできたら就職市場で優位に立てるでしょう」(小林氏)
確かに東大生と「幹部候補」を争っても勝てそうもない。だが、プライドが邪魔するような仕事でも
泥臭く、タフにこなせる「兵隊」としての能力ならば、負けないはず。ディベート力よりディゾルブ
(溶け込み)力、これがグローバル時代の労働力に必要な資質なのだ。
http://news.livedoor.com/article/detail/6220887/?ignore_lite