金型製造のメイホー(福岡県直方市、戸田政八社長)はシリコーン成型品事業を強化する。
シリコーン製の発光ダイオード(LED)部品を開発したほか、携帯電話の電池カバー用シール材を増産する。
投資額は最大2億円を見込む。2010年12月期に1億円だった同事業の売上高を14年12月期に4億円に引き上げる。
主力の半導体部品向け金型事業が低迷しており、新規分野の開拓を目指す。
シリコーンは一般的なプラスチックに比べ、耐熱性や耐久性に優れる。
半面、溶けた際に粘り気がなく、金型に3マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルほどの隙間があっても入り込んでしまい、
精密な成型が難しかった。
メイホーは半導体部品のリードフレーム向け金型で培った精密加工技術をシリコーン用の金型に応用。
LEDチップを取り付けるシリコーン製台座を開発した。照明などに使う高輝度LED向けの需要を見込む。
高輝度LEDは高温になりやすく、LEDチップが寿命を迎える前にプラスチック製台座が熱で変形してしまうことがある。
台座をシリコーン製に切り替えればプラスチック製の10倍まで寿命を延ばせるという。
メイホーは、LED部品の量産へ向けてシリコーン成型品専用の成型機を拡充。
直方市内の自社工場に5つあるシリコーン成型ラインを3年以内に15に増やす計画だ。
防水対応が進む携帯電話でも、耐久性の高いシリコーン製シール材への需要が高まっている。
同社は、部品の取り出しや搬送作業を自動化することで生産効率を高め、増産する。
メイホーは金型や射出成型機の製造などを手掛け、11年12月期の売上高は24億円となったもよう。
このうち、7割を金型事業が占める。家電の値下がりなどを背景に、半導体関連の同事業は採算が悪化している。
同社はシリコーン成型品事業を新たな収益源と位置づけ、育成を急ぐ。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819891E3E6E2E2848DE2E4E2E3E0E2E3E09E8AE2E2E2E2