12月20日(ブルームバーグ):「ポキシー」というニックネームの欧州在住ハッカーが9月中旬、
ある米企業のコンピューターネットワークに侵入した。
ポキシーは、約1400件のクレジットカード番号や保有者の氏名と住所、
それぞれのカードの暗証番号を盗んだと話す。
ポキシーによると、これらの番号はほとんど問題なく「CVV2s.in」という
自身が運営する闇サイトで、品質を信頼してくれる買い手に1件当たり3.50ドル(約270円)で売却した。
ポキシーは皮肉でも何でもなく「ビジネスで重要なのは誠実さだ」と主張する。
データセキュリティー調査を手掛ける米ポネモン・インスティチュートによれば、
クレジットカード番号の盗難は米国だけで年間840万件に上る。
ハッキングによって大量のデータを盗むサイバー空間の窃盗犯たちは、これらの番号を
どのようにして売りさばくのだろうか。
インターネット小売り最大手の米アマゾン・トッド・コムが運営するサイトに類似したサイト上で
あることが分かった。
CVV2sの顧客は銀行やカードのタイプ、信用限度額、郵便番号によってカード番号を
検索することができ、それらを仮想の買い物籠に入れる。
このサイトは銀行の識別番号による検索能力も備えている。
ポキシーによると、これは、セキュリティー管理が弱いことで知られる金融機関が発行するカードを
顧客が選択できることを意味する。
CVV2sでは、顧客がリアルタイムで番号認証を行い、銀行がそのカードを
無効にしていないかどうか確認することさえできる。
■年間1140億ドル
ストレージ(外部記憶装置)サービス大手の米EMCのセキュリティー部門RSAによると、
計数億ドル相当に上る盗難データが毎年、闇サイトのチャットルームやフォーラムで売買されており、
このビジネスは年々拡大している。
コンピューターウイルス対策ソフトウエアメーカー、米シマンテックの推計によれば、
サーバー空間で盗まれるデータは年間1140億ドル相当に上る。
一方、米連邦捜査局(FBI)によると、米国での銀行強盗による被害額は2010年に
4300万ドルだった。
国連によれば、コカインの世界市場の規模は推計850億ドルだ。
米政府でトップレベルのコンピューター専門家を擁する米国家安全保障局で情報保証を担当する
トニー・セーガー最高執行責任者(COO)は
「問題は、われわれの対応よりも速いペースで状況が悪化していることだ。追い付いていない」と述べた。
ソースは
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LWJGAL0YHQ0X01.html