低価格の「第3のビール」市場で、韓国製品がシェアを伸ばしている。
業界推計では10%近くを占め、年内には焼酎「JINRO」で知られる韓国最大の酒類メーカー、ハイトジンロも本格参入する。
製法や原料によって税率が低くなる日本独特の酒税に合わせて開発。
製造コストの安さに加えて円高の影響もあり、国産より安く、国内メーカーはシェアを侵食されている。
業界では、政府・民主党内で根強い第3のビール増税論議に影響が及ぶとの見方も出ている。
・真打ちジンロ参戦
ハイトジンロが日本で売り出すのは、「THE HITE.ジンロ・ドラフト」。価格は350ミリリットル缶で98〜118円を想定しており、
120円前後で売られている国産よりも最大で20円以上安い。子会社の眞露ジャパンを通じ全国の酒販店チェーンなどで販売。
日本の焼酎市場が頭打ちとなるなか、満を持して参戦する。
「日本製の第3のビール各種も参考にして、若者がごくごく飲める味を目指した」(担当者)という。
第3のビールは平成16年以降、国内メーカーが相次いで発売。翌年には国内商社や流通大手が
韓国メーカーと共同開発した商品も輸入されるようになった。
川商フーズは17年にハイトジンロの前身の旧ハイトと組み、「プライムドラフト」の輸入販売を開始。
現在も「販売実績は好調」(同社)という。全国の中堅・中小スーパーが加盟する共同仕入れ機構のCGCグループは、
20年から韓国製の「ジェント」シリーズを展開。直近1年間の販売量は前年同期比35%増と大幅に伸びている。
大手スーパーのイオンも昨年6月から韓国製の自主企画商品(PB)「バーリアル」の販売を始めた。
価格は100円前後の他の韓国製よりもさらに安い88円。今年11月までに想定を超える速いペースで2億缶を突破した。
イオンは「購入する最初の動機は安さだと思うが、おいしくなければリピートしてもらえない。味も評価された」(商品担当者)と、胸を張る。
・シェア10%の大半
業界推計によると、第3のビール市場での輸入品のシェアは約10%で、そのほとんどが韓国製とみられている。
第3のビールは、もともと原料や製造法によって細かく分類された日本独特の酒税法から生まれた商品だ。
酒税法上は、本来の主原料の麦芽を使わない「その醸造酒(発泡性)」と、麦芽を使った発泡酒に別のアルコールを
混ぜた「リキュール(発泡性)」の2種類がある。
酒税はいずれも350ミリリットル缶当たり28円で、ビールの77円、発泡酒の47円に比べ低く、その分価格も安くできる。
登場以来、低価格志向の消費者の支持を受け、急拡大。今年1〜10月のビール類全体の出荷量(大手5社ベース)
のうち35・4%を占めるまでになった。
ビール類市場は今年で7年連続の前年割れとなることが確実で、縮小に歯止めがかからない。
第3のビールは、国内メーカーにとっては貴重な成長市場で、韓国製品は「脅威の存在」(大手幹部)だ。
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>>2以下に続きます)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111203/biz11120318010008-n1.htm