北陸の信用金庫で店舗再編が急ピッチで進んでいる。金沢信金は今年度、11店舗を廃止する方針を固めた。
富山信金は来年度に2、3店舗を削減する方向。福井信金は3信金で合併した10年前から18店減らす。
取引先の中小零細企業の業況が改善せず、資金需要が伸びない中、身を切るコスト圧縮で収益性を確保し、
生き残りを図っている。
金沢信金は、2010年3月期に49店あった店舗数を、来年10月に32店と、
17店減らす方針を決めている。
現時点で10年度に3店、11年度に7店減らし、12年度には富山銀行に富山県西部の
3店を譲渡する予定。未定の4店は年内に発表し、今年度中に廃止する。
残った32店も一部を出張所にするなど、店舗戦略を大きく見直す。金沢信金は経営健全化計画を
推進しており、店舗の効率運営で組織をスリム化し、利益体質への転換を図る。
富山信金は11月18日、射水市の小杉中央支店を廃止し、射水営業部に統合する。
同支店は2003年に合併した旧射水信金の店舗で、店数は1減の34になる。
旧上市信金との合併により、富山市内で近接している店舗もあり、来年度に削減数を上積みする考えだ。
合併以降、店舗の削減を段階的に進めているのは福井信金だ。福井信金は鯖江、福井中央両信金と合併した
01年に68店あった。最近では09年に1店、10年に2店、今年は来月18日に2店を廃止し、50店体制となる。
福井信金は「合併に伴う統廃合はほぼ落ち着いた。今後は老朽化などを勘案しながら、新規出店を含め検討したい」としている。
一方、地方銀行では統廃合だけでなく、新規出店の動きもある。
北國銀行はこの3年間で計6店舗減らした。ただ、「能登地区や大都市圏が中心で、主戦場の金沢は
さほど減らしていない」(広報CSR課)という。逆に、富山県内では08年の富山東部支店の開設のほか、
魚津市内にも初出店する方針だ。
北陸銀行は、09年に石川で19年ぶりの新店として、金沢市に「もりの里支店」を開設。さらに、
出張所を相次いで支店に昇格させるなど、店舗の拡充に動いている。
北陸でも特に3地銀、7信金ある富山県は「オーバーバンキング」と言われており、資金需要が低迷する中、
地銀、信金同士の合併は進まなくても、店舗数を自主的に調整する形での業界再編は一段と進みそうだ。
ソース:北國新聞
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20111020304.htm