海外旅行熱が高まる中国で、南米に関心を持つ観光客も増加している。これを受けて
アルゼンチン、ブラジルなど南米の観光業界は、中国人旅行者を誘致し、受け入れる
ための態勢作りに全力を挙げている。
アルゼンチンの首都ブエノスアイレス出身のマリア・ホセ・マルティネス・ワルドネルさんは、
数年前に思い立って中国語を習い始めた。昨年には奨学金を獲得して中国に滞在し、スキルに
磨きをかけた。現在はそこで得た語学力と知識を生かし、同市内のパーク・タワー・ホテルで
中国人宿泊客への対応を担当している。
「ホテルに中国語を話す者がいることがお客様には意外らしく、どこで習ったのか、中国へ
行ったのか、また訪れたいと思うか、と質問を受ける。そのような言葉をいただけるのは
素晴らしいこと」と、ワルドネルさんは話す。南米の観光業界では今、こうしたキャリアを
目指す人が増えているようだ。
新華社通信によれば、中国からは今年、約6000万人が海外旅行に出かける。旅行社などの
予測によると、その数は2015年までに1億人に達する見通しだ。初めての海外旅行先と
してはアジア諸国のほか、欧州や米国を選ぶ客が多い。だが南米の活気ある文化や美しい
景観にひかれるという声も目立っている。
ブエノスアイレスで2000年から中国人観光客を受け入れている旅行業者、グスタボ
・コウダネスさんは「人気が集中するのは氷河やクジラ、ペンギンが見られるパタゴニア、
アルゼンチンとブラジルにまたがるイグアス滝、ペルーのマチュピチュなど、中国には
決してないような場所だ」と話す。
在ブエノスアイレスの中国大使館によると、中国人が過去3年間にアルゼンチンで費やした
資金は150億ドル、南米全体では数千億ドルに上る。農業や鉱業、エネルギー業界への
投資が大きいが、観光による消費も急増している。
大型ホテルチェーン、スターウッド・ホテルの南米部門によると、中国人観光客の数は
過去1年間にメキシコ市のシェラトンホテルで364%、ブエノスアイレスのパーク
・タワー・ホテルで260%と、軒並み大幅な増加率を示した。
スターウッドでは最近、世界19都市の店舗で客室に室内履きや急須を備えたり、中国語の
放送や新聞を用意したりするなど、中国人客向けのプランを開始した。ホテル内のレスト
ランには中国語メニューをそろえ、中国人の好みに合わせて麺類やお粥、豆乳を使った
料理も提供する。ヒルトン・ホテルも最近、13カ国の50店舗で同様の「歓迎(ホアン
イン)」プランを始めている。
中国人客への対応に力を入れるのはホテルだけではない。アエロメヒコ航空は昨年から、
メキシコ市と上海を結ぶ便を週2回運航している。ブラジルは14年のサッカー・ワールド
カップ(W杯)、16年のリオデジャネイロ五輪に向け、中国に観光客誘致の派遣団を
送っている。ブエノスアイレスでは最近、タンゴショーやステーキハウスのメニューに
中国語の表記が導入された。
コウダネスさんは中国人客の急増を受け、北京と上海に新たな事務所を開設した。中国と
南米の間には文化、習慣に大きな違いがあることを、改めて認識する日々だという。
「皆さんに喜んでもらうために私たちがどう合わせていけばいいか。そこを把握するには
時間がかかる」と話している。(※
>>2に最近の関連スレ)
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http://www.cnn.co.jp/business/30004168.html ■ ■
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